マレーシア&カンボジアの「TSUTAYA」人気のヒミツは? 売れ筋を聞いた(3/6 ページ)
CCCが、アジア太平洋で「蔦屋書店」などの出店を重ねている。台湾12店舗、中国12店舗、マレーシア3店舗、カンボジア1店舗を展開し、開業時には行列ができることもあるという。現地では何が売れているのか。
2022年にマレーシア進出、3店舗を展開
続いて、2022年にマレーシアに進出。現地における蔦屋書店とツタヤブックストアのフランチャイズ事業の展開にあたり、CCCと双日(東京都千代田区)で合弁会社・TSUTAYA BOOKS MALAYSIA SDN.BHD.を設立し、事業拡大を進めている。
なぜ台湾、中国に続き、マレーシアだったのか。
「タイやインドネシア、オーストラリアなどさまざまな国から出店のオファーをいただきましたが、現地調査を経てマレーシアに決めました。同国は東南アジアの中でも貧富の差がそれほどなく、国民全体の英語力が高い。マレー系、中華系、インド系の3大民族から成る多民族国家で、文化の架け橋になるには非常に良いエリアだと考えました」(上本氏)
日本企業の東南アジア進出といえば、タイ・バンコクやシンガポールが真っ先に浮かぶが、バンコクでは加盟企業が決まらなかった。かつ、英語の識字率が低いのも懸念事項だ。シンガポールは物価が高く商売が成り立ちづらいという理由から、マレーシアを優先したという。
2022年7月、1号店の「ブキット・ジャリル 蔦屋書店」を開業。ブキット・ジャリルは首都クアラルンプール南部に位置する住宅地・商業地で、東京の「二子玉川」のようなエリアだという。
同店は2021年12月にオープンしたマレーシア最大級の複合商業施設内にあり、店舗面積は約800坪と広大だ。書籍や雑貨売り場、アートギャラリー、購入前の書籍や雑誌を閲覧できるカフェなどが入る。
2023年10月には、クアラルンプールの中心地に2号店の「ツタヤブックストア インターマークモール店」を開業。2024年11月には、シンガポールに隣接するマレーシア第二の都市・ジョホールバルに、3号店の「ツタヤブックストア イオンモール テブラウ シティ店」を開業した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
2028年、街から書店が消える? “救世主”になるかもしれない「2つ」のビジネスモデル
書店業界が深刻な危機に直面している。全国の自治体の4分の1以上で書店がゼロとなり、2028年には街から書店が消えるという予測さえある。そんな中、新たな書店モデルが登場した。
「SHIBUYA TSUTAYA」はどうなっているのか 生まれ変わって4カ月、見えてきたこと
2024年4月にリニューアルオープンした「SHIBUYA TSUTAYA」。アニメやキャラクター、ブランドなどのIPコンテンツの聖地として、世界中のIPを体験できる施設に生まれ変わった。再出発から4カ月が経過し、どんな変化が起きているのか。
ローソン「マチの本屋さん」は何を変えたか 書店空白地に本棚をつくった
ローソンがトーハンと連携して展開する書店併設型店舗「LAWSONマチの本屋さん」がじわじわ増えている。全国の書店数がどんどん縮小するなか、コンビニに書店を併設することで、どんな効果が生まれているのか。
なぜfreeeが本屋を始めたのか 経営状況を”明け透け”にする「透明書店」
クラウド会計ソフトを展開するfreeeが子会社を設立し、書店経営に参入する。蔵前にオープンした「透明書店」は、月々の売り上げなどの経営状況から経営にまつわる施策や日々の出来事などを“明け透け”に公開する一風変わったコンセプトだ。どんな書店なのか。


