マレーシア&カンボジアの「TSUTAYA」人気のヒミツは? 売れ筋を聞いた(6/6 ページ)
CCCが、アジア太平洋で「蔦屋書店」などの出店を重ねている。台湾12店舗、中国12店舗、マレーシア3店舗、カンボジア1店舗を展開し、開業時には行列ができることもあるという。現地では何が売れているのか。
「空間デザイン事業」を拡大する動きも
今後の展開として、中国・台湾では引き続き出店を進めつつ、商業施設や企業などの空間デザイン、ブックディレクション、アートの提案といった事業も開始するという。
「日本国内で蓄積してきた空間デザイン領域の事業を、まずは中国で展開予定です。現地の大手企業と提携して進めていきます。出店は重要なコンタクトポイントであり、体験価値やブランド認知の向上に役立ちますが、文化の架け橋となるために、ライフスタイル全般の提案にまで広げていきたいと考えています」(橋本氏)
一方、進出から日が浅いマレーシアやカンボジアは、まず店舗数を増やしていく方針だ。
「マレーシアでは、クランバレーやペナンといった人口200万人規模の都市への出店も計画しています。カンボジアでは、現地加盟企業との契約で2034年までに6店舗を出店する計画です。エリアはプノンペンがメインで、有名観光スポットのアンコールワットがあるシェムリアップも検討しています」(上本氏)
マレーシア、カンボジアでの好調を受けて、さらに海外展開が加速するかもしれない。
著者プロフィール:小林香織
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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