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「静かな退職」を選ぶ若者に、どんな未来が待っているのか? 3つの“最悪なシナリオ”:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/5 ページ)
なぜ人は「静かな退職」を選ぶのか。そしてこの働き方を選ぶとどうなるのか――。
AI時代に置換される仕事の3つの特徴
近年、米国ではプログラマー数が急減している。米労働統計局(BLS)のデータによれば、プログラマーの人数は2000年代初頭に70万人以上とピークに達した後、減少傾向が続き、とりわけChatGPTが登場した2022年末以降の1年間で約27.5%も雇用が減った。わずか1年でプログラマー職の4分の1以上が消失した計算になる。
もちろんプログラマーだけがAIに置換されるわけではない。では、どんな仕事がAIに置換されやすいのか。3つの特徴を挙げよう。
- ルーティンワークが中心の仕事
- 創造性や高度な判断力を必要としない仕事
- 人間ならではの対人コミュニケーションや関係構築を必要としない仕事
それでは、一つ一つ解説していく。
ルーティンワークが中心の仕事
定型的な作業の繰り返し。マニュアル通りに進めれば完了する業務。たとえば、データ入力、書類作成、簡単な問い合わせ対応などだ。AIというより、すでにデジタル化によって事務職の多くが奪われつつある。
創造性や高度な判断力を必要としない仕事
過去からずっと続く、慣れ親しまれた業務。新しい価値を生み出さない作業が該当する。斬新な発想、奇抜なアイデアが求められる仕事なら、まだAIより人間のほうが適している。AIが出力するアイデアは「これまでの平均値」であることが多いからだ。
人間ならではの対人コミュニケーションや関係構築を必要としない仕事
コミュニケーションを最小限に抑えられる業務。一人で完結する作業。顧客との深い関係性を必要としない仕事は、置換されていくはずだ。
これら3つの特徴を見て気づくだろうか。会社が「人間」に求めるバリューは、ドンドン高度になってきている、ということだ。したがって、「最低限の仕事しかしない」と言い張り、「静かな退職」を選ぶ人は、自らAIに置き換えられやすい働き方を選んでいると言えよう。
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