化粧品ブランド「SHIRO」なぜ人気? 北海道の“開かれた工場”に年間30万人:あの炎上から6年(2/4 ページ)
ブランド誕生16周年を迎えた化粧品ブランド「SHIRO(シロ)」。北海道砂川市にオープンした新施設「みんなの工場」には年間約30万人が来訪、2025年4月にオープンした韓国初進出の店舗は初日に行列ができた。同ブランドを運営するシロ社の福永敬弘社長に事業戦略を聞いた。
男性にも選ばれやすいフレグランス
シロ社の前身となるローレル社は、観光土産品の製造や卸販売を目的に1989年に創業した。その後、化粧品雑貨のOEM事業へ方向転換。2009年に自社ブランド「LAUREL(ローレル)」を立ち上げ、2015年に「shiro」にリニューアル。さらに、2019年にリブランディングを行い、ブランドロゴを大文字の「SHIRO」に変えた。
以前のロゴは細文字でシンプルな印象があったが、現在は太文字で存在感を増した。ブランドカラーもこのときにネイビーに定めた。当時、「残念」「元に戻してほしい」といった不満が続出して炎上したが、「振り返るとリブランディングは成功だった」と福永社長は考えているそうだ。
「一部の方から変化に対する抵抗感はあったと思いますが、リブランディングはSHIROの一つの転機であり、『より良い製品をお届けする』という覚悟の表明でした。以前のロゴの自信なさげで存在感が薄いところを変えたいと思い、太文字のロゴを採用しました。自信のあるプロダクトを作っていくという当社の思いが強まり、結果的に売り上げは当時も今も増え続けています」
現在、SHIROではフレグランス、スキンケア、メイクの3カテゴリー、260SKUを扱う。売り上げの過半数を占めるのはフレグランスで、顧客層は10〜60代以上までと幅広い。「SHIROは日本の香水市場に風穴を開けたと思っている」と福永社長は言う。
「スキンケアやフレグランスのブランドは、顧客層が極端に女性に偏ることが珍しくありませんが、SHIROは店によっては売上高の3割近くが男性客による購買です。特に、定番の香りである『サボン』は、男性から人気が高い傾向です。香りが強すぎず、そこはかとなく香るので使いやすいのだろうと。性別関係なく、香水初心者のような方にも好評です」
近年、国内のフレグランス市場は拡大傾向にある。富士経済によると、2024年の市場は前年比15%増の575億円で、前年に引き続き二桁の伸びとなった。
SHIROは、銀座三越や伊勢丹新宿など百貨店内に多くの店舗を構える。百貨店が独立系化粧品ブランドのSHIROを評価する大きな理由は、「若年層や男性の集客力が高いから」だという。
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