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残クレのゴリ押し、ボディコーティング……車ディーラーはどうやって儲けているのか高根英幸 「クルマのミライ」(3/4 ページ)

自動車ディーラーはどのように収益を確保しているのか。時代とともに、新車・中古車販売や付帯サービスなどの状況が変化している。2025年4月には、“抱き合わせ商法”が問題視された。最近は、高額なボディコーティングが人気で利益率も高いようだ。

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“抱き合わせ商法”が珍しくない自動車業界

 2025年4月、トヨタディーラーが分割払いやオプションサービス契約を条件とした販売をしたとして、公正取引委員会から行政指導を受けている。これはトヨタ直営のトヨタモビリティ東京で、200拠点を有する大規模ディーラーだ。実際の販売件数や影響力も考慮した上での措置だろう。

 現金一括払いで手に入れたいユーザーに残価設定ローンを組ませるのは、金利を稼ぎたいだけでなく、転売を防止する目的もある。ともあれ、このような抱き合わせ販売は独占禁止法に抵触するが、販売現場では交渉の一環として行われることも珍しくない。


アルファードやランドクルーザーは人気が高く、中古車でも価格が落ちにくいことから残価設定ローンを選ぶユーザーが多い。だが現金一括払いを望むユーザーに転売対策として残価設定ローンを組ませるのは独禁法に抵触する(写真:andrey - stock.adobe.com)

 例えば、ポルシェディーラーでも希少なモデルを購入する条件として、もう1台普及モデルを購入することが条件になっているという話も聞く。他の高級車ブランドでも、限定車を購入するためには抽選で当選するだけでなく、販売が難しい車種を同時に購入する必要があるケースもあるようだ。

 こうした手法は、登録台数を稼ぐために利用されている。もちろん購入するオーナーにとっては必要ないクルマであるから、ディーラーは登録後に買い取り、認定中古車などとして販売するケースが多いようだ。

 こうして、あの手この手で購入者に余計なモノを買わせようとするのは、ひとえに利益確保のためだ。昔は工場出荷時点での原価率は5割といわれていた。作られたばかりの新車は、販売価格に対して半分の原価がかかっているということだ。最近では装備の複雑化などもありクルマは高くなっているが、工場出荷時の原価率は平均6割といわれている。

 金額ベースでは1台当たりの利ざやは増えているが、販売台数は減っており、輸送コストなども上昇している。クルマを販売するだけでは収益を確保することが難しくなっているのだ。

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