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部下のコンプレックスを「悪化させる」上司の一言5選 劣等感を強みに変えるには?:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/4 ページ)
上司としては善意による発言でも、部下のコンプレックスを強く刺激してしまうことがある。そんな上司の「最悪の発言」を5つ紹介するとともに、取るべき行動を紹介したい。
上司は「強み」の発見と育成をするべき
私の学歴コンプレックスを伝えて共感してくれた人は、ほぼ「高卒」の人だった。コンプレックスというのは他者からは認識されづらく、共感されにくいのである。
「目が小さいことがコンプレックスなの? 全然気にする必要ないよ」
「人前で話すことが苦手? 私も若い頃はそうだったから大丈夫だよ」
このように無邪気に言ってしまうのは、人のコンプレックスに共感しづらいことが理由だ。
しかし、本人にとっては、「気にすることはない」と笑われること自体が辛いのである。
部下のコンプレックスを刺激するような発言は、百害あって一利なし。
そもそも、上司の役割は部下の弱点を「刺激」することではない。隠れた強みを発見し、それを伸ばすことであるはずだ。
学歴がなくても、豊かな発想力があるかもしれない。外見に自信がなくても、誠実な人柄で信頼を得られる可能性はある。過去の苦労は、他者への共感力となるだろう。
つまり、重要なのは部下の可能性を信じることだ。コンプレックスの裏側には、必ず光る何かがある。それを見つけ出し、育てることこそ、上司の役割なのである。
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