【法改正】10月から変わる「育児・介護休業法」 改正のポイントと企業がとるべき対策は?:労働市場の今とミライ(2/4 ページ)
改正育児・介護休業法(育介法)は2025年4月の第1弾に続き、第2弾が10月1日から施行される。最大の目的は「男女で育児・家事を分担しつつ、育児期の男女が共に希望に応じてキャリア形成との両立を可能とする仕組みを構築する」ことにある。
依然として低い、日本男性の家事・育児への参加率
改正育介法の目的は冒頭に述べたように育児との両立支援だけではなく、男性の育児参加だ。周知のように日本の男性の家事関連時間は諸外国と比べて低い。
総務省が実施した「社会生活基本調査」によれば、6歳未満児のいる夫の1日当たりの家事・育児関連時間はノルウェー3時間12分、ドイツ3時間、フランス2時30分、米国2時間53分であるのに対し、日本は1時間23分と極端に少ない。女性に家事・育児のしわ寄せが及んでいる現状は、女性のキャリア形成を阻害するだけではなく、少子化にも歯止めがかからないとの政府の危機感がある。
そのため、政府は男性の育児参加を促す政策を立て続けに立法化してきた。2022年10月1日には、出生後8週間以内に、最大4週間の利用が可能な「産後パパ育休」制度を創設している。
改正のポイントは、
(1)出生時育児休業制度の申出期限は2週間前までとし、分割して2回取得可能、また休業中の就業も認める
(2)申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認措置の義務付け
(3)育児休業の分割取得(新制度を除き、2回まで取得可能)
などであった。
2025年4月の改正育介法では、男性の育児休業取得率の公表義務の対象を、常時雇用労働者数1000人超の事業主から300人超の事業主に拡大した。さらに改正育介法と同時に、改正雇用保険法によって、2025年4月に出生後休業支援給付金と育児時短就業給付が創設された。
出生後休業支援給付金は、子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、被保険者とその配偶者の両方が14日以上の育児休業を取得する場合に最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額を給付。育児休業給付とあわせて給付率80%(手取りで10割相当)へと引き上げるものだ。
育児時短就業給付は、被保険者が2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている場合に給付し、時短勤務中に支払われた賃金額の10%を給付する。これも男性が育休を取得しない原因の1つである収入減対策である。
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