「格安・大容量コーヒー」東京で1日1000杯爆売れ 韓国発カフェの緻密な戦略(2/5 ページ)
2025年1月、虎ノ門に開業した韓国発のコーヒーチェーン「マンモスコーヒー」が好調だ。ランチタイムは行列ができる反響で、リピート率は約7割。10月には2号店も開業予定だ。大容量・低価格が特徴だというが、どんな店なのか。
韓国で約900店、常連客を増やして成長
マンモスコーヒーは、韓国で2012年に創業した。当初は一般的なカフェ形態でスタートしたが、2016年以降、テークアウト特化の小型店「Mammoth Express(マンモス エクスプレス)」に事業モデルを転換。従来型の「マンモスコーヒー」と小型店の「マンモス エクスプレス」の2形態があるが、約900店舗のうち、ほとんどがエクスプレスだという。
「戦略的にエクスプレス形態を推進していますが、『小型化』を追求しているわけではありません。現在、エクスプレスは立地に合わせて店舗の広さや座席有無を柔軟に選択できるモデルへと進化しています。そのため、座席を備えたエクスプレスの店舗も多くあります」
韓国で人気を得た理由は、「コストパフォーマンス」と「スピード」だという。韓国のカフェ市場では、スターバックスのようなプレミアムブランドとマンモスコーヒーのような大容量・低価格ブランドの二極化が進んでいるが、「両者の品質面での差はほとんどない」と金社長は説明した。
「当社も含め、韓国における低価格帯のコーヒーブランドは規模の経済を確立し、高品質な原材料を安く仕入れる購買力を備えています。多くの消費者も、品質面ではプレミアムブランドとの差がほとんどないと理解しています。そのため、座席に座ってゆっくりしたい時には、広く快適な空間を提供するプレミアムブランドを選び、テークアウトしたい時には手頃な価格のブランドを選ぶのが合理的な行動になっています」
出店戦略では「流動人口(通行客)」よりも「定住人口(そのエリアに生活基盤を持つ人々)」を対象とした営業モデルに特化。流動人口よりも定住人口のほうがリピーターになりやすい傾向があるためだ。常連客を基盤にすることで顧客獲得コストを抑え、低価格ながら高品質のメリットを顧客に提供することを事業コンセプトにしているという。
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