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アサヒに襲ったサイバー攻撃 ランサムウェア被害と身代金の現実世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)

アサヒグループホールディングスがサイバー攻撃を受け、被害が拡大している。業務を妨害して内部情報を盗み、身代金を要求するランサムウェア攻撃は巧妙化。基本的な対策を見直し、可能な限り攻撃を困難にすることが重要だ。

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“被害データの拡散”に批判の声

 今回のアサヒのケースでは、犯行声明公開後のセキュリティ関係者らの動きに対して、日本の政府関係者や当局者から批判の声が出ている。

 政府関係者は「警察やデジタル庁など、政府機関のサイバーセキュリティ分野に関与していると吹聴するサイバーセキュリティ関係者が、Qilinの犯行声明と、Qilinが公開したアサヒの社内文書の一部の画像をSNSで公開したことが確認されている。そういう立場にいる人物が、民間企業から盗まれたデータの一部をSNSに投稿して公開するのは大問題だ」と指摘する。


盗まれたデータには個人情報も含まれる(画像提供:ゲッティイメージズ)

 「Qilinの公開した画像には、アサヒ社員と見られる人たちの個人情報も出ているため、さらなる犯罪を助長することになりかねない。日本を代表する飲料メーカーが外国の犯罪者から攻撃を受けているのに、政府とつながりのある関係者が、被害組織を助けるために尽力するどころか、被害状況を拡散させるとは論外だと問題になっている」(政府関係者)

 Qilinが公開した情報に興味本位でアクセスすると、ウイルスなどに感染する危険性もある。また、そこで公開されている個人情報などを悪用した場合、不正アクセスで罪に問われる可能性もある。決してそうした情報には近寄るべきではない。

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