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“会話が盛り上がった商談”ほど危ない――売れる営業が使う「沈黙」とは?:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/5 ページ)
商談が盛り上がるほど、契約は遠のく――。多くの営業が陥る「雑談の罠」と、沈黙を味方につける“売れる人”の技術とは。
「沈黙」を使いこなす3つのポイント
では、実際に沈黙を使いこなすには、どうしたらいいのか。3つのポイントを紹介する。
提案後は必ず3秒待つ
提案を終えたら、すぐに次の言葉を継がない。必ず3秒ほど待つという。「いかがでしょうか?」と聞いたあと、3秒間、黙ってみる。焦らず、ゆっくり待つだけでいい。
質問したら口を挟まない
お客さまに質問をしたら、相手が答え終わるまで絶対に口を挟まない。その姿勢を貫こう。「黙る」ことを習慣化するのだ。たとえお客さまが言葉に詰まっても、助け舟を出さないこと。お客さまが自分の言葉で語り終えるまで、じっと待つのだ。
決断を迫ったあとは「無言」を貫く
最後のクロージングでは、覚悟をもって「無言」を貫こう。
「では、ご決断いただけますか?」
と聞いたあと、完全に黙る。10秒でも、30秒でも、相手が答えるまで待つ。助け舟も出さない。この無言の時間が、お客さまの背中を押す。営業が何も言わないからこそ、お客さまは自分で決断せざるを得なくなるのである。
ただし、沈黙が効果を発揮するのは、もちろん提案内容がお客さまのニーズに合っているときだけだ。ズレた提案をしておいて黙っていても、ただの気まずい時間が流れるだけである。
だからこそ、商談の前半では徹底的にヒアリングをする。このときも、効果的に「沈黙」を使おう。そのうえで、的確な提案をする。そして最後に「無言のクロージング」を使う。この順番を守ることで、話すことなく成果を手に入れられるのだ。
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