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生成AI時代、SFAは“用済み”なのか 現場のマネジャーが考えるべきこと:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/5 ページ)
便利だが、入力項目が多すぎるのだ。商談のたびにデータを入れるのが面倒で結局放置される。どうすればいいのか。
生成AIが実現する3つの可能性
もう少し網羅的に書いていきたい。生成AIの進化によって、次の3つが実現可能になりつつある。
- 提案タイミングの最適化
- プロセス分析と予測
- データの自動収集
一つずつ解説していこう。
提案タイミングの最適化
AIがメールのやり取りやカレンダーから、顧客の行動パターンを学習する。そして「このタイミングで、この提案をすべきだ」とアドバイスしてくれるのだ。
例えば顧客が新規事業立ち上げの準備をしているとする。AIがメールの文面から察知し、「今がチャンスです。この提案書を送りましょう」と教えてくれる。
プロセス分析と予測
営業パイプライン(見込み客から成約までの営業プロセスを段階的に可視化したもの)のボトルネックを特定し、売上予測をリアルタイムで出力する。どこで商談が停滞しているのか。どの顧客が失注リスクが高いのか。AIが自動的に分析してくれるのだ。
フィードバックや助言
AIがスケジュールやメールのやり取りを常に監視し、問題解決のためのフィードバックをしてくれる。
例えば重要顧客へのフォロー漏れがないか。返信を忘れているメールはないか。行くべき先に訪問できているか。こうした営業活動の「抜け漏れ」を、AIエージェントが自動的にチェックするのだ。
「A社の部長から2週間前にメールが来ていますが、まだ返信していません」
「B社とは3カ月間接触がありません。失注リスクがあります」
このように、AIが営業担当者に助言してくれる。マネジャーが逐一確認しなくても、AIが機会損失を防いでくれるのである。
これら3つが実現すれば、マネジャーは「これで十分だ」と考えることだろう。
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