連載
生成AI時代、SFAは“用済み”なのか 現場のマネジャーが考えるべきこと:「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/5 ページ)
便利だが、入力項目が多すぎるのだ。商談のたびにデータを入れるのが面倒で結局放置される。どうすればいいのか。
現場のマネジャーが本当に求めているもの
それでは、現場のマネジャーは何を求めているのか? 答えは明確だ。
日々の営業活動で習慣的に保存されたデータを使って、必要な情報だけを自動で出してほしいのである。
たとえば次のような質問に対する答え・アクションだ。
- A社に提案するには、何を押さえたらいいか?
- B社の決裁権を持っている人の候補を教えて
- Xという商材を提案するためには、どんな質問をしたらいいか?
- 1週間以内にC社の課長からメールの返信がなければ、リマインドメールを送って
- 12月のスケジュールを見て漏れている顧客フォローがあったら教えて
- 年末のあいさつに行ける会社数は10社だけ どのお客さまを優先したらいい?
これらの答えを、自動的に提示してくれるツールが理想だ。候補でいいのだ。最終的な判断は人間がするので、「正解」は求めていない。
営業は既に日常的にメールを送り、お客さまとの打ち合わせをスケジュールに入れ、提案書をファイルサーバーに保存している。これらのデータを生成AIが自動解析し、学習し、解決策を提示してくれれば、SFAやCRMは必要なくなるのではないか。
マネジャーは、「積極的にメールで、細かく内容を書け」「スケジュールにこういうことを記せ」「そうすれば、あえてSFAに入力しなくても済む」と指示すればいい。
まさに、これこそが生成AI時代の営業支援の本質だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
部下に「仕事は終わってないですが定時なので帰ります」と言われたら、どう答える?
企業にとって残業しない・させない文化の定着は不可欠だ。しかし――。
部下「出社義務化なら転職します」 上司は引き止めるべきか、去ってもらうべきか
出社義務化で部下が次々辞める時代。管理職はどう向き合えばいいのか――答えは意外なところにある。
新人「議事録はAIにやらせました」何がダメなのか? 効率化の思わぬ落とし穴
新人がAIを駆使すれば効率化できる――はずだった。ところが現実は顧客の信頼を失う危険すらある。便利なはずのAIが、なぜ組織のリスクに転じてしまうのか。
「残業キャンセル界隈」名乗る若者が増加中…… 上司はどう向き合うべき?
SNS発の「○○キャンセル界隈」が職場にも広がり、「残業キャンセル界隈」を名乗る若手が増えている。背景には働き方改革の誤解や成果への無関心がある。組織の生産性低下を防ぐには?
部下から「給料を上げてください」と言われたら、上司のあなたはどう返す?
もしこんな相談を受けたら、決して避けてはいけない。上司がどう向き合うべきか解説する。