「言ってもやらない部下」は“放置で正解”なのか?:「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/4 ページ)
部下が動かないことに疲れ果て、そう考えたくなる気持ちは分かる。だが、そんなことをしたら「いなくても困らない上司」もしくは「いては困る上司」になってしまうだろう。ではどうすればよいか?
「自主性を尊重=何もしない」ではない
まず「サーバントリーダーシップ」について正しく理解しよう。
サーバントリーダーシップとは、部下の成長を支援するリーダーシップだ。部下の自主性を尊重し、必要なときにサポートする。これが本質である。
しかし、多くの上司が勘違いしている。
「部下の自主性を尊重する=何もしない」と捉えてしまうのだ。これは大きな誤解である。
部下が動かないときに、
「自主性を尊重しているから、何も言わない」
「本人のペースで成長すればいい」
と考えるのは、単なる職務放棄だ。サーバントリーダーシップでも何でもない。ただの怠慢である。
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。多くの組織を支援してきて確信していることがある。部下を放置する上司は、「いなくても困らない上司」になる。
4つのタイプで部下を理解せよ
それでは、「言ってもやらない部下」にどう対応すべきか。
まず理解すべきは、「言ってもやらない部下」といっても、すべて同じではないということだ。
部下は「やる気」と「能力」の2つの軸で分類できる。これを「Will×Skillマトリクス」と呼ぶ。
- やる気が高く、能力も高い部下
- やる気が高く、能力は低い部下
- やる気が低く、能力は高い部下
- やる気も能力も低い部下
この4つのタイプによって、指導法は全く異なる。
「言ってもやらない」という現象は同じでも、その原因は違うのだ。原因が違えば、当然対処法も変わる。
例えば(2)のやる気が高く能力は低い部下には「やりたいのにできない」状態だ。この部下に「もっと頑張れ」と言っても意味がない。必要なのは、スキルトレーニングである。
一方(3)のやる気が低く能力は高い部下は「できるのにやらない」状態だ。この部下には、モチベーションを下げている原因を探る必要がある。
このように、部下のタイプによって対応を変えなければならない。一律に「放置する」「放置しない」と考えること自体が間違っているのだ。
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