部下「計画をAIに作らせました。チェックしてください」 上司のあなたはどう答える?:「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/4 ページ)
AIの正しい使い方と間違った使い方について解説する。部下の成長を願うマネジャーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
AIに「ドラフト作成」を任せてはいけない理由
結論から言おう。AIに叩き台(ドラフト)を作らせてはいけない。ましてや完成品を作らせるなど論外だと私は考えている。
「え? AIって、そういうことに使うものじゃないの?」
そう思った人も多いだろう。世間ではGeminiやChatGPTが話題だ。
「AIに企画書を作らせたら5分でできた」
「提案書の下書きをAIに任せたら効率が10倍になった」
そんな話がSNSにはあふれている。しかし、私はあえて問いたい。
「それで、あなたは成長しましたか?」
AIが作った計画書を提出して、上司に褒められた。プロジェクトも承認された。結果オーライだ。しかし、その過程であなたの頭は動いたのか。あなたの思考力は鍛えられたのか。答えはノーだろう。
AIに叩き台を作らせることの最大の問題は、「考える機会」を奪ってしまうことだ。
計画書や企画書を一から作る作業は、確かに面倒だ。構成を考え、情報を集め、論理を組み立てる。時間もかかるし、頭も使う。しかし、その「面倒な作業」こそが、ビジネスパーソンの「計画力」や「企画力」を鍛える。
「汗をかく」プロセスが成長を生む
冒頭の商社の部長は、部下にこう言った。
「AIに叩き台を作ってもらうのではなく、AIに叩いてもらえ」
部下はキョトンとしていた。部長は続けた。
「君が汗をかいて作った計画書を、AIに批評させるんだ。順番が逆なんだよ」
これが、AIの正しい使い方である。
自分で考え、自分で構成を練り、自分で文章を書く。その過程で頭をフル回転させる。そうやって作り上げたものを、最後にAIという「辛口の評論家」に見せる。すると、AIは遠慮なく指摘してくる。
「この論理展開は飛躍しています」
「市場分析とターゲット設定の内容が重複しています」
「経営陣の視点で見ると、ここが懸念点になります」
人間だと忖度(そんたく)してしまうような厳しい指摘も、AIは容赦なくしてくる。その指摘を受けて、自分で修正する。このプロセスを繰り返すことで、思考力が鍛えられるのだ。
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