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女性駅員がデジタル人材に転身 JR西、コロナ禍の“危機感”から始まった全社DXの舞台裏(3/5 ページ)
コロナ禍を経て、「鉄道一本足打法ではダメだ」という危機感を持ったJR西日本。デジタル技術を活用した業務変革に取り組む同社には、駅員からデジタル人材に転身した社員も。同社のDX推進の現場を取材した。
「鉄道一本ではダメ」 コロナ禍で痛感
さて、野世氏が在籍するDX部門は、どのような経緯で生まれたのか。その背景にもやはり、コロナ禍があった。デジタルソリューション本部の古橋氏は、当時の状況をこう振り返る。
「2019年度時点で、当社の収益に占める運輸業の割合は65%でした。コロナ禍でお客さまの移動が減り、2020年にはコロナ前比で山陽新幹線の利用率が11%、近畿圏では29%まで落ち込んでしまったのです」(古橋氏)
運輸業への依存度が高い企業ほど、その後の業績回復に時間がかかったが、JR西日本もその一つだった。「早急に運輸業だけに頼らないビジネスモデルの構築や、新しい事業分野の開拓が必要だと考え、DXを経営戦略の基本に据えました」(古橋氏)
2020年10月、同社はグループデジタル戦略を発表。翌11月にはデジタルソリューション本部を発足させた。同社が掲げたのは「3つの再構築」だ。顧客体験、鉄道システム、そして従業員体験の3領域で変革を進めるという方針である。
顧客体験の領域では、従来のマスマーケティングから、個人の趣味・嗜好に応じたワン・トゥ・ワンマーケティングへの転換を図っている。鉄道システムの領域では、人手に頼っていたメンテナンスにAIを活用。駅の改札機などの故障履歴データを機械学習させたAIモデルを構築し、点検回数を3割削減、故障発生件数も2割削減した。
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