若者に広がる「頑張らない月曜日」とは? 最低限の仕事しかしないムーブメントのワナ:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/4 ページ)
チームの若手社員が、月曜日だけ明らかにペースを落としているという。メールの返信は遅く、会議での発言も少ない。火曜日以降は普通に働くのだが、月曜日だけ別人のようだと。
F1に学ぶ「スタートダッシュ」の重要性
ここで、F1レースにたとえて考えてみたい。
F1で最も楽に勝てる方法は何か。それは、予選でポールポジション(先頭位置)を勝ち獲ることである。
ポールポジションからスタートすれば、前に誰もいない。自分のペースで走れる。無理な追い抜きも必要ない。タイヤの消耗も抑えられる。つまり、最初に全力を出すことが、結果的にレース全体を楽にするのだ。
一方で後方からスタートするとどうなるか。前の車に阻まれ、オーバーテイクのたびにリスクを負う。タイヤもブレーキも消耗が激しい。追い上げのために、レース後半でさらにエネルギーが必要になる。
仕事も全く同じである。
月曜日に力を抜いて、火曜日から徐々にエンジンをかける。これは後方グリッドからスタートするようなものだ。週の後半になるほど負荷が増え、金曜日には疲弊している。
何事も最初が肝心だ。月曜日の午前中に集中して重要な仕事を片づける。これが「ポールポジション戦略」である。最初に全力を出すからこそ、週の後半に余裕が生まれる。
本当の「ペース配分」とは何か
誤解のないように言えば、私は「月曜日から無理をしろ」と言いたいわけではない。
大事なのは、力の入れどころを間違えないことだ。月曜日に最低限の仕事しかしないのは、ペース配分ではない。単なるスロースタートである。
本当のペース配分とは、週の前半に重要度の高い仕事を集中させ、後半に負荷の軽い業務を回すことだ。月曜日の朝こそ、最も判断力が求められる仕事に取り組む時間にすべきである。
「頑張らない月曜日」を実践している若者に伝えたい。あなたが避けている月曜日の負荷は、消えるわけではない。火曜日以降の自分に押しつけているだけなのだ。
週のレースは月曜日の朝に決まる
F1ドライバーは、予選に全力を注ぐ。なぜなら、スタート位置がレース結果の大半を決めるからだ。
ビジネスパーソンにとっての予選は、月曜日の午前中である。ここで勢いをつけられるかどうかが、一週間の成果を左右する。
もし本当に力を抜く日がほしいなら、月曜日ではなく金曜日にすべきだ。月曜日にセーブするから、火曜日以降に皺寄せが来る。木曜、金曜には疲れ果て、週末も回復しきれない。悪循環である。
逆に、月曜日から全力でスタートし、週の後半に向けて負荷を下げていく。金曜日は頑張らず、週末は好きなことをしてリフレッシュする。そして月曜日、また全力でスタートダッシュを切る。このサイクルのほうが、はるかに効率的だ。
「頑張らない月曜日」ではなく、「頑張らない金曜日」。この発想の転換が、一週間を最も楽に走り抜ける方法だと私は考えるが、どうだろう。
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