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AIを使うほど、チェックできなくなる 「監督のパラドックス」が示す危機集中連載「AIと人間の境界線」(3/3 ページ)

AIを使うほどチェック能力が衰える――。米Anthropicの調査が示した「監督のパラドックス」は、AI活用が実地経験を奪い、評価力そのものを弱める危機を浮き彫りにする。教育と企業はどう向き合うべきか。

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AIの誤りをどうやって見抜くのか

 では、AIを使い続けてきた社会人1年目がこの質問をされたとき、何と答えるだろうか。「ほとんどの人が、『ない』と答えるしかない」と小野氏は言う。


AIネイティブとして育つ次の世代はどうなるの(出典:ゲッティイメージズ)

 これは個人の怠慢ではない。構造の問題だ。AIを活用するにはチェックが必要で、そのチェックには経験が要る。そして経験は、AIに頼らず自ら手を動かすことでしか積めない。誰もこの循環を設計できていない。企業も、学校も、政府も。

 今はまだ、かろうじて間に合っている。AIが普及する前に、自分の手で能力を身に付けた世代がいるからだ。その人たちがチェックを担っている。

 だが、AIネイティブとして育つ次の世代はどうなるのか。コードも、議事録も、文章も、最初からAIが書くものとして育った世代が、AIの誤りをどうやって見抜くのか。これは技術の問題ではない。教育の問題だ。その問いに、誰もまだ答えを持っていない。

集中連載「AIと人間の境界線」:

第1回:AIは若者の武器か? データが示した“逆の答え” 

第2回:AIを使うほど、チェックできなくなる 「監督のパラドックス」が示す危機 今回はこちら

第3回:そのExcel、AIには読めていない

第4回:採用AIという「見えない裁判官」 その判定に理由はあるのか


筆者プロフィール:斎藤健二

金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。


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