【相談】有志の勉強会に来ない新人に低評価をつけたら「パワハラだ」と脅されました。私が間違っていますか?:Q&A:これってハラスメント?(2/3 ページ)
職場で起こりがちなトラブルを基に、ハラスメント問題に詳しい佐藤みのり弁護士が詳しく解説します。
佐藤弁護士の回答
A: 「自由参加」と銘打った勉強会であったとしても、その不参加を人事評価に反映させるとなると、勉強会への参加は事実上強制されます。参加を促すことは「業務命令」と評価される可能性があります。
また、人事評価は使用者の広範な裁量的判断に委ねられているため、スキルアップを怠る従業員に対して「やる気がない」と評価すること自体は、法的に問題ないと考えられます。しかし、人事評価も無制限に認められるわけではなく、その裁量権を逸脱・濫用した場合には、違法・無効とされる可能性があります。
まず人事評価制度とは、従業員の業務における能力や成績、業務に対する態度等の評価基準を基に、個々の従業員の人事上の処遇や待遇上の処遇を決定する制度です。つまり、人事評価は「業務に関係あること」について評価するのが大原則となります。
「自己研鑽の意欲」や「チームへの貢献姿勢」という項目を設けること自体は何ら問題がないと考えられますが、それらを評価する際は、あくまで「業務における」従業員の行動をもとに評価することが原則になります。
具体的に、従業員が業務の中でどのような行為を行うと「自己研鑽の意欲」や「チームへの貢献姿勢」が高くまたは低く評価されるのか、客観的で明確な基準を定めておくと、公平な人事評価につながるでしょう。
不公平な人事評価制度は「業務で成果を上げているのに、どうしてこの評価なのか」「業務外のところでマイナス評価されるなんて、報われない」など、従業員の不満が高まる可能性があり、優秀な従業員の離職を招くことにもつながりかねません。
さらには、不公平な人事評価に基づき降給などがなされた場合、会社が訴えられ「会社の人事評価とそれに基づく降給は、会社の裁量権を逸脱しており、権利濫用にあたり無効である」と判断されるリスクがあり、会社が賠償責任を負うことも考えられます。
勉強会が真に有志の集まりであり、任意参加であるならば、そこへの不参加をもって他の従業員と比べて低評価にすることには、前述のように従業員の不満の高まり、優秀な従業員の離職、会社の人事権の裁量逸脱――など、さまざまなリスクがあるでしょう。
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