送別会を“やらない方がいい”ケースとは? 4タイプの「辞め方」で考える:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/4 ページ)
年度末ということもあり、今回は退職のパターン別に送別会の在り方を考えてみたい。送別会の企画で悩んでいる幹事やマネジャーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
恨みパターン:「もらい逃げ」「早期離職」の退職
最も難しいのが、このパターンだ。
育休を取得し、復帰せずにそのまま退職する、いわゆる「育休もらい逃げ」だ。あるいは、入社してわずか3カ月程度で辞めてしまう早期離職。どちらもSNSで頻繁に炎上するテーマである。
このケースでは、残された人のほぼ全員が“もやもや”している。育休中、その人の業務を肩代わりしていたメンバーたちの心情はどんなものか。「復帰したら一緒にまた頑張ろう」と待っていた上司、入社3カ月の新人に、時間をかけて研修を行った先輩たちはどう受け取るか。
突然の退職を聞かされ、じゃあ「送別会を開きましょう」と言い出す人は、まずいないだろう。
もちろん、育休の取得は法律で認められた権利だ。退職の自由もある。早期離職も、個人の判断として尊重されるべきだ。制度的には何も問題がない。
しかし、制度の問題と感情の問題は別である。残された人たちの「裏切られた」という感覚は、理屈では割り切れない。このケースで退職者が「送別会はやめて」と言えば、周囲は「当然だろう」と思う。それどころか「送別会をやりたいと言われたら、どうしよう」と心配しているのは残される側のほうだ。
このパターンでは、送別会の有無よりも、退職の仕方そのものが問われている。引き継ぎを丁寧に行うこと。お世話になった人に直接お礼を伝えること。形式的な送別会がなくても、こうした誠意ある対応があれば、残された側のもやもやはかなり軽減される。
「送別会をやめて」と言われたらどうすべきか
4つのパターンを見てきたが、共通して言えることがある。送別会は「形式」で開くものではないということだ。
退職者が「やめてほしい」と言ったとき、その理由はさまざまだ。大げさなことが苦手。事情を詮索されたくない。職場に負い目がある。あるいは単純に、飲み会が好きではない。
どのケースであれ、本人の意向は尊重すべきだろう。昔ならともかく、送別会を強制することに意味はない。イヤイヤ参加する主役と、気を使い続ける参加者。それは送別会ではなく、ただの苦行と言える。
大切なのは、送別会という「形式」ではなく、感謝や労いの「気持ち」を伝えることだ。ランチを一緒に食べるだけでもいい。メッセージカードを渡すだけでもいい。デスクに少しばかりのお菓子を置くだけでもいい。
送別会をやるかやらないか。その判断に正解はない。しかし、退職のパターンによって周囲の感情が異なることを理解しよう。そして双方にとって心地よい形を探ること。それが、今の時代にふさわしい「送り出し方」ではないだろうか。
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