コラム
なぜヤクルトは減速し、明治HDは安定したのか 同じ乳酸菌なのに株価は逆に動く(4/6 ページ)
睡眠ブームで注目を集めたヤクルト。しかし株価は下落する一方、明治HDは安定推移を続けている。同じ乳酸菌企業でなぜ差がついたのか。事業構造や利益率、PERの違いから読み解く。
構造を大きく転換した明治HD
明治HDの営業利益率は、直近では8%ほどで推移しています。ただ、さかのぼると、同社の食品事業の利益率は、2013年には2%ほどと、非常に低い数字だったのです。
なぜ、ここまで利益率を改善できたのか。実は、明治HDが力を入れてきた改革が大きく影響しています。
明治HDは、2013年頃から事業の抜本的な改革を行いました。特に、2%ほどにとどまっていた食品事業の利益率を改善すべく、生産拠点の統合や採算の取れない商品の整理など、徹底した構造改革を進めたのです。
これにより、カカオポリフェノールの健康効果に着目して開発した「チョコレート効果」や、胃の負担を和らげるヨーグルト「LG21」など、“機能で売る”戦略を推し進めました。
特に2014年以降は、それまでの「売り上げ重視」の経営を転換し、値上げにもきちんと向き合うことで、営業利益率を8%前後にまで改善したのです。
確かに、この数字は、ヤクルトの営業利益率11%と比べるとまだ改善の余地があるように見えます。
しかし、投資家が重視しているのは、利益率の高さそのものではなく、その安定性。売り上げの一時的な減少を許容してでも、利益率を確保する経営へと転換したことが、長期的な企業価値の向上につながり、結果として市場からも評価されていると考えられます。
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