「あの件どうなった?」と言われたら負け――「自分から動け」と上司に言われないための簡単なコツ:「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/4 ページ)
4月から新年度が始まる会社も多いだろう。そこで今回は、新社会人に向けて「先手必勝」という考え方を紹介する。
先送りすると「やる気」が「やらされ感」に変わる
先手必勝の反対は何か。先送りである。そして先送りには、恐ろしい副作用がある。やる気が徐々に蝕まれていくのだ。
仕事を依頼された直後は、誰でもそれなりにやる気がある。「よし、やってみよう」という前向きな気持ちがあるものだ。ところが、すぐに取りかからず時間がたつと、気持ちは少しずつ変化していく。
最初は「すぐやろう」と思っていたのに、翌日には「まだやらなくていいか」に変わる。期限が迫ってくると「間に合わなくても仕方ないか」という考えが頭をよぎる。さらに時間がたつと「そもそも、なぜ自分がやらなければならないのか」という不満にまで発展してしまう。
このプロセスを整理すると、次のようになる。
- すぐにやろう
- まだやらなくてもいい
- 期限に間に合わなくてもいい
- 自分がやる必要はない
たった4段階で、前向きなやる気が後ろ向きのやらされ感に変貌する。最初は自分の意思で引き受けた仕事なのに、いつの間にか「押しつけられた仕事」に変わってしまう。これは実に怖いことだ。
さらに厄介なのは、(4)の段階まで進むと、努力不足を棚に上げて責任を転嫁し始めることである。「上司の指示が悪い」「そもそもこの仕事の意味がわからない」と、被害者意識が膨らんでいく。こうなると、もはや自分の力では軌道修正が難しい。
あるIT企業の課長がこぼしていた。
「部下に仕事を任せた直後は『やります!』と元気なんです。でも1週間後に確認すると『それって本当に私の仕事ですか?』と返ってくる。何が起きたのか、最初は理解できませんでした」
この課長の困惑は、多くの管理職が共感するものだろう。だが原因は部下の性格ではない。先送りが生み出す思考の悪循環なのである。すぐに着手していれば浮かばなかったはずの不満や言い訳が、時間の経過とともに膨張していく。先送りとは、やる気を自ら失わせる行為だと言っても過言ではない。
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