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「マジックを見たい客はいない」 年商1.6億円を生んだ沖縄のマジック店、逆転の発想(2/5 ページ)

沖縄県のマジック店「マジックオーシャン」の年商は1.6億円に上る。「マジックを見たい客はいない」という逆転の発想と、それが生かされた店づくりを取材した。

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マジック一本で生計を立てるのは難しい 挫折と帰郷

 奥原氏がマジックに魅了されたのは小学3年生の頃。親からクリスマスに「マジックの本」をプレゼントされたことがきっかけだ。「練習して親や友達に見せると、驚いてくれてうれしかった」と振り返るように、次第にその世界にのめり込んでいった。

 高校時代には大道芸を始め、ジャグリングやパントマイムにも取り組んだ。愛知県の大学に通っていた頃はマジックバーで腕を磨き、少人数の観客を前に至近距離で行う「クロースアップマジック」の大会で受賞した経験もある。

 在学中にプロマジシャンの道を志したものの、マジック一本で生計を立てることの難しさを実感。地元・沖縄に戻り、家業である、アメリカンビレッジの不動産事業とアパレル事業に携わることになった。

 不動産業のテナント管理を担当する中で、小売りや飲食などさまざまな業種の経営者と接する機会が増えた。「どういう店が成り立つのか、成り立たないのかを学べました」と振り返る。売り上げ、人件費、原価といった数字はもちろん、商品ラインアップ、入口の作り方、看板の配置、動線設計といった細部の積み重ねが、安定した経営を支えることを学んだ。

 そうした経験の中で、自身が親しんできたマジックの店を誘致したいという思いが芽生える。さまざまな業種や業態の店舗を見てきたからこそ、「マジックの店も成立させられるのではないか」と考えた。数十人から100人規模の客の前で演じる「ステージマジック」の店が、それまで沖縄になかったことも後押しとなった。


マジックオーシャンの入口(画像:筆者撮影)

 「いかに地元のお客さまに足を運んでいただけるかを常に意識しています。私は県外や海外に行くときに、一般的な観光スポットや飲食店よりも『地元で人気ですよ』という場所が一番気になります。地元向けに良いものを作る方が、結果として多くのお客さまに来ていただけるのではないかと思っています。一度で消費される『観光地』ではなく、何度も訪れたくなるような『リゾート地』になるには、地元に合った価格やサービスが大事だと考えています」

 現在入居しているビルの稼働に合わせ、マジックバーを全国展開するグループ企業を誘致。2019年にマジックオーシャンがオープンした。

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