「ワンチャン」「ガチで」……職場で使っていい? 上司の「歩み寄り」があぶないワケ:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/4 ページ)
職場における若者言葉の実態とベテラン社員がどこまで使っていいのかについて、私の実体験も含めて解説する。
では、若者言葉は職場から「撲滅」させるべきか?
「社内でも一切使うな」ということではない。重要なのは、場・相手・関係性の3つをしっかり見極めることだ。
例えば若手社員との雑談の中で「それ、詰んでるじゃないか(笑)」と使うのは、さほど問題にはならないだろう。相手との関係性が十分にあり、場が雑談モードであれば、若者言葉は「この人、堅くないな」という親しみやすさにつながることもある。
実は筆者(56歳)も、若者言葉がいつの間にか染みついてしまっていて、ついつい口にしてしまうことがある。私には22歳の息子と、19歳の娘がいて、子どもたちと話しているとたまに、
「それ、ワンチャンあるな」
と言ってしまうのだ。子どもたちと違和感なく話しているせいか、ついつい部下と話しているときにも言いそうになる。先述した通り、雑談モードのときはいいのかもしれない(積極的に使う必要はないだろうが)。
会議やミーティング、報告・連絡・相談の場ではどうか。こういった「仕事モード」の場では軽率な印象を与えてしまうだろう。「場の空気」が締まらなくなる。
大切なのは「相手が使っているから自分も使う」ではなく、「この場でこの言葉を使うことが、相手との関係にとってプラスになるか」を考えることだ。若者言葉を使えるかどうかは、語彙(ごい)の問題ではなく、場の読み方の問題である。
ベテラン社員に本当に必要なのは「語彙力」ではない
若手社員とのコミュニケーションを改善したいと考えるベテラン社員の中には「若者言葉を覚えれば距離が縮まる」と思っている人がいる。しかし、それは手段と目的を取り違えている。
若手が上司や先輩に求めているのは、自分たちの言葉を使ってくれることではない。
「自分の話をちゃんと聞いてくれているか」
「自分の仕事や成長に関心を持ってくれているか」
「困ったときに頼れるか」
――そういった、関与の姿勢だ。
「ガチで」や「神」を使いこなす上司より、部下の話を真剣に聞き、的確なフィードバックを行い、成長を信じて粘り強く伴走してくれたほうが圧倒的に信頼される。言葉のうわべを合わせるより、中身で勝負すべきなのだ。
若者言葉を無理に覚えて使おうとするエネルギーがあるなら、部下との1on1の質を高めることに使ったほうが、よほど関係構築に役立つだろう。
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