まだ「NotebookLM」すら使ってない営業がいるの? 企業研究から提案書スライドまで、“超具体的”な使い方:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/5 ページ)
今や精度の高い情報収集は当たり前となった時代だ。顧客も「さすがにAIを使うなりして、当社のことはある程度分かっているはずだ」と思い込んで商談に臨んでいる。だから、準備力の差は決定的になりつつある。
企業研究のポイント3. 「社員の声」を拾う
3つ目は、見落とされがちな「社員の声」の収集だ。これが実は、最も濃度の高い情報源になり得る。
社長や幹部のブログ、SNSの投稿、インタビュー記事――これらには、その人が今何を考え、何に課題感を持っているかが、公式の発表よりも率直に書かれていることが多い。
社長が取り上げられている、広告案件ではないインタビュー記事は特に参考になる。
「御社の○○社長が先日のインタビューでおっしゃっていた△△という言葉が印象的でした」
という一言は、相手との距離を一気に縮めるだろう。
さらに見逃せないのがリクルート情報だ。採用サイトや就職情報サービスに掲載された若手社員のインタビューや「この会社を選んだ理由」といったコメントには、その会社の実態や文化が滲み出ている。社員がどんな言葉で自社の強みをアピールしているかを知ることで、「この会社が大切にしていること」の輪郭が見えてくる。
こうした「社員の声」の情報をNotebookLMに集め、
「この会社の社風や強みについて、社員の言葉から見えてくることは何か」
と問いかけてみる。表に出てこない、生きた情報が整理されてくるはずだ。
集めた情報は「提案書」の骨格になる
ここまで説明してきた3つの視点(会社そのもの、商品・サービス、社員の声)で集めた情報は、そのまま提案書や営業アプローチブックを作る際の骨格になる。
しかし、多くの営業担当者がここで失敗する。集めた素材をAIに渡して「いい感じでスライドにまとめてください」と丸投げするのだ。出来上がったスライドは、情報が羅列されているだけだ。だから結局、一から作り直す羽目になる。
なぜうまくいかないのか。AIは「何を、誰に、どんな順番で伝えるか」を判断できないからだ。素材だけ渡されたAIは、とりあえず情報を並べるしかない。
必要なのは「設計書」だ。スライドを作る前に骨格を決める指示書のようなものである。最低限、以下の4つの要素を含めるといいだろう。
- 各スライドの役割――1枚ごとに「このスライドは何を伝えるためにあるか」を明記する。
- スライド間の論理的なつながり――2枚目で提示した課題が3枚目の提案で解決される、という因果関係が成立しているか確認する。
- ターゲット別の訴求ポイント――経営者向けには課題解決策、現場スタッフ向けには業務負荷の軽減など、相手の立場で強調すべき訴求ポイントを変える。企業研究で得た「この会社の関心事」はここに含めるといい。
- クロージングの導線――たとえば「まず1部署から導入してみませんか」といった小さな一歩を促す投げかけと、具体的な選択肢を用意しておく。
このような設計書を言語化したら、AIに渡すものは「素材」と「設計書」の2つだけだ。「この設計書に沿って、この素材を使い、スライド構成案を作ってください」と指示する。出てきた構成案を人間がチェックし、問題なければ完成スライドの生成に進む。
「設計書→構成案→完成スライド」
この3ステップを踏むことで、手戻りは激減する。
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