「ノア/ヴォクシー」なぜ売れる? アルファード超え「15万台」が示す日本の最適解:高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)
トヨタのノア/ヴォクシーは、ミニバン市場で圧倒的な強さを誇る。Mクラスミニバンは、日本の道路事情や生活に合った使い勝手の良さが魅力。トヨタ車の信頼性の高さも強みだ。ライバル車も含めて、さらなる進化を期待したい。
日本人の暮らしに合った、Mクラスミニバンの魅力
Mクラスミニバンと呼ばれる、全長4.2メートル、全幅1.7メートルのボディ寸法は、日本の道路事情に合わせた絶妙なサイズ感と使い勝手の良さが魅力だ。ノア/ヴォクシーの場合、先代よりも若干コンパクトになり、全幅は5ナンバー枠を超えていないから、取り回しもいい。
もっとコンパクトなボディを望むならシエンタやルーミーがあるが、駐車場のスペースはどれでも1台分必要になるから、「どうせ所有するなら大きめがいい」という選択をするオーナーも多いのだろう。
もちろんルーミーを選ぶユーザーも多い。何しろ昨年の登録台数は約9万5000台、シエンタも約10万6000台とノアを上回る。そこには、ノアよりも低燃費で低価格という強みもある。
セダンやSUV以上の居住空間と軽自動車並みのコンパクトさで選ばれるライトミニバン勢に対し、一回りサイズが大きく、広い室内と大き過ぎないボディがMクラスミニバンの強みなのだ。
高さが約1.9メートルあるため、機械式駐車場には止められないが、その高さは無駄なスペースではない。室内の移動(3列目シートへの乗り込みも含めて)は、大柄な人でも楽々だ。
何より室内はルーミーやシエンタよりも格段に広く、高さもあるので開放的だ。家族旅行や買い物以外でも、シートアレンジを利用して大きな荷物を運ぶことができる。
4人での移動なら、2列目シートを後方へスライドして広々とした空間を利用することもできるし、自宅に自分専用の部屋がない人の中には、車内をAVシアターのように使い、“自分だけの空間”として活用するケースもある。車中泊での旅を楽しむ人も、このサイズなら快適だ。
そして、ADAS(先進運転支援システム)や快適装備なども充実している。Mクラスミニバンは、日本の道路事情と家族構成、ユーザーが求める機能や能力をうまくまとめ上げている。その最たる存在がノア/ヴォクシーなのである。
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