インタビュー
「本が読めない」時代に広がる“聴く読書” 350万人が利用する背景:サブスクの勝算と限界(4/5 ページ)
忙しさや生活環境の変化で本を「読めない」人が増える中、音声で楽しむ“聴く読書”が広がっている。オーディオブック利用者は350万人に達し、その背景や制作現場、利用実態の変化を追った。
「ながら読書」が新たな習慣に
利用シーンも多様化している。かつてビジネスパーソンの利用が中心だったときは、通勤中の利用が大半を占めたが、利用者の幅が広がるにつれ、家事をしながら、散歩をしながら、あるいは寝る前に聴く、といった形も増えてきた。
さらに特徴的なのは、シニア層の場合、自宅でテレビの代わりにオーディオブックを流しているケースも見られる。年齢が上がるほど、再生時間が長くなる傾向があるという。
近年は動画配信サービスやSNSが生活に浸透し、常に画面を見続けることに疲れを感じる人は、きっとシニア層に限らないだろう。
耳は他の作業と並行して使える。また、目で情報を追うことによる疲れも生じにくい。こうした要素が、オーディオブック市場の成長を支えているようだ。
もっとも、オーディオブック自体は新しいサービスではない。
オトバンクは20年以上前から事業を続けている。それでも近年になって利用が急速に広がった背景には、技術環境の変化があるという。
通信回線の高速化、スマートフォンの普及、ワイヤレスイヤフォンの浸透。かつては大容量の音声データを持ち歩くこと自体が難しかった。
しかし今では多くの人がスマホとイヤフォンを持ち歩き、移動中にコンテンツを楽しむことが当たり前になった。こうした環境変化が2018年からのサブスク配信につながり、利用者拡大の追い風となった。
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