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世界では大人気なのに……日本のバイク市場はなぜ過去最低なのか世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)

日本のバイクメーカーや日本人ライダーが世界で活躍しているが、国内バイク市場は縮小傾向にある。海外メーカーと価格で勝負するのではなく、バイクを「文化」として盛り上げる設計が必要ではないか。

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価格ではなく「文化」で勝負を

 「日本のバイク」は、アニメやゲーム、すしなどと並ぶ、世界的に尊敬される「Made in Japan」の一つだ。そんな日本のバイクが、国内でも人気を高めるにはどうすればいいのだろうか。

 まず、レースを日本のソフトパワーを支える資産として位置付けるべきだ。MotoGPやWorldSBKで戦う日本人ライダーやメーカーへの支援を、経済産業省や観光庁、文化庁が連携して進め、鈴鹿サーキットやモビリティリゾートもてぎ(栃木県)を海外に売り込んで、今以上に「聖地」として認知してもらう。


バイクレースの文化をより盛り上げるべきだ(画像提供:ゲッティイメージズ)

 さらに、若手ライダー育成と免許制度の再設計をすべきとの声もある。以前は、50cc原付(原付一種)が、大型バイクへの入り口となっていたが、厳しい排ガス規制などによって50cc原付の生産が終了。バイクそのものが遠い存在になってしまっている。

 欧州のA2免許のように、段階的にバイクへ乗れる仕組みを整え、若者が段階的に大型へ進める入り口を整え、原付一種の縮小で失われた入門層を、軽二輪や電動二輪へ橋渡しする。

 加えて、中国勢との「価格勝負」ではなく、「文化勝負」に軸足を移す。 CFMOTOの量産体制や価格競争力を相手に真正面から戦えば、このままでは、10年後には日本メーカーが中型バイク市場でシェアを大きく落とす可能性がある。アニメや漫画などを支援し、ライダー体験などをまとめて売り込めば、本物志向のユーザーが集まるプレミアム市場での優位性は保てる。

 小椋選手のMotoGP優勝という快挙は、22年間途切れていた糸がつながった瞬間だったといえる。この流れを産業政策や文化政策につなげられるかどうかが、今後、日本のバイクが世界に誇るソフトパワーとして存在感を保てるかどうかの鍵になるだろう。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)、『死体格差 異状死17万人の衝撃』(新潮社)、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)がある。

Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル


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