経営者「昭和のように働いて」社員「休みより収入」 導入してほしい制度1位でも「週休3日」が広がらない納得の理由(2/3 ページ)
有名企業が導入して話題になる週休3日制。今回は、週休3日制が浸透しない理由や導入している企業の事例、導入に必要な手続きを社会保険労務士の視点から解説します。
なぜ週休3日制は浸透しないのか
週休3日制の導入が進まない理由は、労使双方にとってデメリットが大きいからです。
労働者にとって選択的な週休3日制では、基本給が2割程度減額されるケースが多いため「休みよりも今の収入を維持したい」というニーズと合致しません。一方、企業側は取引先や顧客の稼働日と合わせる必要があります。単純に休日を増やすと、顧客対応や売り上げの機会損失につながる懸念があるでしょう。
こうした事情だけでなく、週休3日制の導入には現在、強い逆風が吹いているように思われます。
一つは、物価の高騰です。厚生労働省が5月22日に発表した2025年度の毎月勤労統計調査(確報)によると、物価の変動を反映した労働者1人当たりの実質賃金は前年度比0.5%減となり、4年連続のマイナスになりました。賃金は伸びているものの、物価上昇に追い付かない状態が続いています。
もう一つの逆風は、労働時間の抑制を緩和する動きが見られることです。働き方改革が注目されて以来、国や厚生労働省は労働時間を抑制する政策を推進してきました。しかし、2025年度には勤務間インターバル制度の導入など、労働基準法改正案の国会提出が見送られています。
こうした政策は、おおむね企業の経営者層からは歓迎されているように思われます。「日本の1人当たりGDPや国際競争力が低下しているのは、昭和のように働かなくなったのが要因だ」「週休2日制の導入が日本を弱くした」などと真顔で力説する経営者もいます。こうした環境下で週休3日制の導入は現実的ではないでしょう。
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