「定型業務の切り出し」に頼らない障害者雇用 AI時代に社員の強みを引き出す“3つの業務設計アプローチ”:連載「情報戦を制す人事」(3/3 ページ)
これまでの障害者雇用の業務設計は「業務切り出し型」が採用されていました。しかし、デジタル化や業務効率化によって定型業務が変化する中、単に切り出すだけでは対応が難しい場面が増えています。これからの障害者雇用のヒントになる3つのアプローチを紹介します。
障害者雇用における「インターンシップ」の役割
多くの企業では、採用は人事部門、配属後のマネジメントは現場といったように、プロセスごとに別部門が担当しています。しかし、前編で解説した通り「採用」「業務設計」「定着支援」を一体で捉えることが、これからの障害者雇用においては重要です。
採用から定着までを一連のプロセスとして考えるためには「入社後にどのように力を発揮し、活躍できるか」という共通の視点を、人事と現場が共有する必要があります。情報交換会では「採用前の段階から現場と人事が関わり、相互理解を深める」取り組みが紹介されました。その代表例がインターンシップです。
例えば、ある企業では、インターンシップで実際の業務に合わせた実務体験やマーケティング業務を題材とした企画ワークを実施。業務理解を深めるとともに、参加者の志向や必要な配慮について相互に確認しています。社員座談会では、障害のある社員や人事担当者が実際の働き方やキャリアについて紹介し、入社後のイメージを共有しています。
このように、インターンシップは「選考の場」だけではなく、採用・現場・人事が同じ前提を持ちながら「採用後の活躍を見据えた共通理解を育む場」として機能しています。
障害者雇用は、人事だけでなく現場や経営層も含めた組織全体で共通の方向性を持つことが必要です。障害のある社員それぞれの強みや特性を業務と結び付けながら、それぞれが力を発揮できる仕事や環境を設計していくことが、これからの障害者雇用に求められる視点ではないでしょうか。
著者プロフィール
角川亜由美 株式会社Works Human Intelligence WHI総研
2022年に広報としてWorks Human Intelligenceに入社後、メディア対応や記事企画などを担当。現在はWHI総研の研究員として、ユーザー企業の声や市場動向の調査・分析を通じた人事課題の知見発信を行っている。
株式会社Works Human Intelligence
大手法人向け統合人事システム「COMPANY」の開発・販売・サポートの他、HR 関連サービスの提供を行う。COMPANYは、人事管理、給与計算、勤怠管理、タレントマネジメント等人事にまつわる業務領域を広くカバー。約1,200法人グループへの導入実績を持つ。
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