街に広がるマイクロモビリティ、何が問題なのか? 日本に合う「新しい足」を考える:高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)
ラストワンマイル対策や高齢者などの移動手段として、マイクロモビリティの選択肢が広がっている。電動キックボードには問題があるものの、市場のポテンシャルは大きい。安全・快適に移動する手段としてさらに普及するためには、何が必要だろうか。
電動キックボードの構造的な欠陥
電動キックボードは、モーターやバッテリーの性能向上によって、遊具から移動手段に発展したモビリティだが、その一方で、構造上の問題も多い。
車輪が小さいため路面の凹凸や横風に弱く、ホイールの回転による安定性も得にくい。そもそも乗りこなすことを楽しむ遊具であったキックボードがベースであるから、不安定なのは当然である。
さらに問題なのは、走行中は常にバランスを保つことを意識し続けなければならないことだ。車体と身体の重心が離れ、接触しているのはハンドルのグリップとステップ部分だけで、そこからの振動や衝撃だけで車体の動きを感知してバランスをとる必要がある。
電動キックボードのシェアリングサービスを利用するユーザーの例。左端を走行しなければならないが、道路の中央を走っている。ルールは知っていても、走行中は余裕がなく、走ることに集中してしまう(写真:Adobe Stock)
バランスをとりつつ、路面の凹凸や横風に身構える必要があるため、周囲への注意力や判断力にも余裕がなくなってしまうのである。つまり、公道で乗りこなすことができるのは、高い身体能力や判断力を持つ人なのだ。そうした人でなければ安全に利用するのは難しいのではないか。
電動キックボードのシェアリングサービスはパリの市民投票で禁止された。だが、日本では利用が広がっている。それでも、電動アシスト自転車へ利用がシフトする可能性も出てきた。
シェアリングサービスのLimeは、国内での電動キックボード提供を廃止し、電動アシスト自転車や座って乗れる電動スクーターに統一する方針を表明した。最大手のLuupも、電動アシスト自転車だけのポートを設定するなど、安全性と利便性の両立に向けて軌道修正している印象だ。
立ち乗り型は荷物も積めないため、肩にバッグなどを掛けたまま乗ろうものなら、よりバランスが取りにくくなる。持ち運びや置き場所に困りにくいことが主なメリットで、それ以外の面では課題の多いモビリティといってもいい。
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