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年間10万件の「顧客の声」を発注会議に直結 AOKIが競合視察で掴んだ「VOC経営」の凄み(4/4 ページ)

スーツ市場が10年で半減する中、AOKIの小出大二朗社長は「メンズビジネス4割、メンズカジュアル3割、レディース3割」という目標を掲げる。重衣料で培った高度な裁断・縫製技術をパジャマスーツへ応用し、店舗の接客力と組み合わせて競合と差別化。さらにファーストリテイリング視察を契機に導入した年間10万件の「VOC」(顧客の声)を定量分析し、発注会議や在庫の最適化に直結させるアパレル再生の舞台裏を追う。

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600店舗の「接客力×ものづくり」 外部出身の新社長が描く新生AOKI

――VOCを経営に生かす取り組みは、業界全体でも広がっているのでしょうか。

立川: 競合を含め、多くの企業が顧客の声を経営に生かす取り組みを進めています。当社はまだ、どの企業のツールを使って本格的に取り組むかを決め切れていません。ツールを提供する企業が数多くあるため、トライアルを重ね、当社に最も合うものに絞り込んで本格導入する方針です。3年ほど、そのトライアルを続けています。

――小出社長は、AOKIのファッション事業を今後どうしていきたいと考えていますか。

小出: 私は百貨店向けのアパレルメーカーで育った人間です。ただ、その中でもマーチャンダイザー(MD)の経験が長く、商品をゼロから企画して作るというより、数量設計や効率化といった数値面をずっと見てきました。その経験と、AOKIがスーツ作りで培ってきた力をどう融合させるか。そこが私にとって一番の任務です。

 もう1つ、外部から来た人間としてAOKIに強く感じるのは、店長を中心とした人の力、つまり接客力の高さです。AOKIは500店舗近く、ビジネスウェアの「ORIHICA」も含めると600店舗以上を展開しています。その接客力が、おもてなしの力につながっています。

 スーツを作ってきた力を転用しながら、ビジネスウェアの売り上げを維持しつつ、カジュアルやレディースに力を入れる。そこに人の力を掛け合わせる。これまでの延長線上にある取り組みですが、そこに磨きをかけていきます。

 加えて、私のキャリアであるものづくりにさらに踏み込み、顧客のニーズやウォンツ、つまり顧客の生の声を商品にどう生かすか。そのためのデジタル活用に、もっと踏み込んでいくことが、これからの課題になります。

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