2015年7月27日以前の記事
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なぜ上場を捨ててまでAIに賭けたのか? カオナビが非公開化して進める「脱・勘と経験の人事」(4/6 ページ)

人事データを可視化しても「勘と経験と社内政治」で決まる日本の人事。タレントマネジメント大手カオナビはこの課題に終止符を打つべく、株式非公開化という重い決断を下した。四半期決算の呪縛を断ち、5年間をAIと人事データの融合にあてる。同社が掲げる「タレントインテリジェンス」構想の全貌とは。2030年の再上場を見据えた佐藤寛之CEOの背水の変革戦略に迫る。

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汎用AIにはまねできない 社内定性ログを武器にする「3つの強み」

 では、ChatGPTのような汎用(はんよう)AIに任せるのではなく、なぜ専用の人事データとAIを掛け合わせる必要があるのか。佐藤氏がその理由に挙げるのは、汎用AIが決して学習できない「社外秘の一次データ」と、カオナビが持つ「圧倒的な知見」の融合だ。カオナビのAIモデルの強みは「個社性」「鮮度」「量」という3つの要素で構成されている。

 まず「個社性」とは、独自の評価制度や社内アンケートなど、その企業にしか存在しない固有の文脈のこと。次に「鮮度」とは、日々の面談や1on1を通じて、社員の「やりたいこと」や「できること」といった定性情報が、常に最新の状態でアップデートされることだ。社員の異動履歴や入社の動機などは、決して社外のネット上には出回らない。このディープな一次データ(個社性と鮮度)があるからこそ、自社の実情に即した意味のある提案が生まれる。

 そして最後の「量」とは、カオナビが4500社以上の支援を通じて蓄積してきた、業種や規模を超えた「人材活用の成功パターン」の膨大な知見を指す。自社内にしかない一次データ(個社性と鮮度)を、カオナビが蓄積してきた膨大な知見(量)を学習したAIが読み解く。だからこそ、汎用AIにはまねできない「自社専用の精緻な壁打ち相手」が誕生するのだ。

 もちろん、他社のデータをそのままAIに利用するわけではない。それでも、多様な企業との取り組みから得た人材活用の知見が、AIの提案の質を高めるという考え方だ。そして、この知見を活用する上で鍵となるのが、生成AIとの相性だ。評価だけでなく、面談や1on1、採用面接には、文章や会話の中にしか残らない情報があるという。

 「人事には、評価や面談、1on1、面接など、数値化しにくい定性情報が多い。そこに生成AIを組み合わせる意味は、大きいと思っています」(佐藤氏)

 生成AIは大量の文章や会話を扱える。今後は、1on1や採用面接の音声を自動で取り込み、人事やマネジャーが手作業で入力する負担を減らすことも考えている。人事データをためるだけでなく、日々の会話までAIに使わせる構想だ。

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