インタビュー
なぜ上場を捨ててまでAIに賭けたのか? カオナビが非公開化して進める「脱・勘と経験の人事」(6/6 ページ)
人事データを可視化しても「勘と経験と社内政治」で決まる日本の人事。タレントマネジメント大手カオナビはこの課題に終止符を打つべく、株式非公開化という重い決断を下した。四半期決算の呪縛を断ち、5年間をAIと人事データの融合にあてる。同社が掲げる「タレントインテリジェンス」構想の全貌とは。2030年の再上場を見据えた佐藤寛之CEOの背水の変革戦略に迫る。
論理はAI、決断は人 経営層に残る「頭と尻」の役割
AIによって人の仕事が変わる中、経営者やマネジャーには何が残るのか。佐藤氏は、AIが論理的に考える部分を担うようになる一方で、人にしか担えない役割が2つあると話す。
「論理的に考えるのはAIのほうが得意です。人がやるのは、何を解決すべきか問いを定義することと、AIが出したA案、B案、C案から何をやりたいかを選ぶ最後の決断。頭と尻の部分です」(佐藤氏)
問いが間違っていれば、AIから出てくる答えも役には立たない。だからこそ、AIを使う時代には、何を問いとして設定するのかを考える力が重要になるのだ。
カオナビが株式の非公開化によって確保した5年間は、AI機能を追加するためだけの時間ではない。人材データを集め、AIに選択肢を出させ、企業や個人が自分で決める。その流れをHR領域全体に広げるための投資期間だ。
人事システムは、これまで「人を管理する」ための道具という側面が強かった。カオナビが目指すタレントインテリジェンスは、そこからさらに踏み込み、データとAIを使って、人事だけでなく現場のマネジャーや働く個人自身が意思決定するためのツールへ変えようとしている。
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