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なぜ三井住友は新店舗で「銀行名」を外したのか? 「富裕層100万人」を囲うSMBC融合の正体(3/4 ページ)

10月26日に開業した「SMBC Wealth吉祥寺」は三井住友銀行の店舗を改装した拠点だが、掲げた看板は銀行名でも証券会社名でもなく、SMBCグループの富裕層向け共通ブランドだ。銀行・証券・信託のどの顧客も、ここでグループの担当者に相談できる。三井住友フィナンシャルグループ(FG)が目指すのは、各社が協力し合う従来の「連携」ではなく、看板も店も商品棚も人材も一つにする「融合」。その狙いと背景とは?

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3メガで分かれた「富裕層の取り方」

 三井住友銀行の顧客が、証券口座を開く先は2つある。スマートフォン中心の顧客はOliveからSBI証券へ、担当者が付く対面の顧客はSMBC Wealthから日興へ。同じ銀行の顧客に対し、外部の証券会社とグループの証券会社で棲み分ける形だ。

 分け目は資産の厚みと相談の受け方にある。Oliveコンサルティングは「デジタルを主体に取引する顧客、われわれがデジタル富裕層と呼ぶ層」を対象にリモートで相談に応じる。SMBC Wealthは「一部は重なるが、もう少し上の富裕層で、より対面でコンサルティングを受けたい顧客が主体」(上村氏)。対面の対象はグループ全体で約100万人で、銀行側からの招待が基本になる。

 5月の時点で上村氏は「資産運用の観点では、既存の対面ビジネスではなかなかお会いできていないお客さまが相当数いる」と話していた。会えない層はネット証券に、会える層はグループ証券につなぐ。これは合理的な分業だ。富裕層にはデジタルで完結したい層もいるが、本命は対面の側だ。

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は分け方が違う。8月に発表し、2027年3月に始める会員組織「エムット Excellent Club」は、三菱UFJ銀行の預り金融資産3000万円以上または資産運用残高1000万円以上の約75万人が対象で、非対面のサービスを担う事業本部が運営する。より上の富裕層は、別の事業本部が証券と組んで対面で担う。三菱UFJ銀行の窓口は、通常の上場株式の売買注文を受け付けていない。銀行の会員組織と証券との対面営業を事業本部ごとに切り分けている。

 みずほフィナンシャルグループは「銀信証一体運営×オープンアライアンス」を掲げる。みずほ証券が楽天証券株の49%を持ち、みずほ銀行は楽天銀行の議決権10.52%を取得する資本業務提携を5月に発表した。売り場をグループの外にも広げる路線である。

 3社とも「グループ一体」を掲げるが、銀行の対面窓口を誰の売り場にするか、店と看板を分けるか一つにするかで分かれた。両方を一つにすると打ち出したのが今回のSMBCグループである。

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