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なぜ、100年続く問屋がいま“急成長”? 4年で売上5割増、welzo社長に聞く「多少の無駄」を許す組織改革(2/3 ページ)

ホームセンター市場の縮小や農家の減少という逆風の中、100年企業のwelzoは売上高を325億円から501億円へと4年で5割以上も急伸させた。2020年に就任した金尾佳文社長のもとで、挑戦を促す風土をどう根付かせたのか。100年企業の知られざる組織改革の舞台裏に迫る。

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「井の中の蛙」を自覚させる 100年企業は社員の視点をどう変えたか?

――社長に就いてから、組織を変えるためにまず何から手をつけたのでしょうか。

 社内のベテランが30年、40年と経験を積みながら、その知識を共有しようとしないことは、前社長も以前から問題視していました。私は社長に就いたときから「ここに手をつけよう」と決めていました。その知見を引き出してデジタル化するために、研究農場も立ち上げています。

 ただ、同じことを長く続けてきた組織は、視点を変えにくいものです。そこでまず、社員の視点をどう変えるかを考えました。自分たちがどれだけ「井の中の蛙」であるかを体験してもらうために、社外のさまざまな場に出ていき、他者に意見をぶつけて考えを磨く壁打ちをさせました。その中で、事業のアイデアを出させる経験も積ませています。

 私はオーナー企業の社長ではありません。だからこそ、次の世代の育成を絶対にやらなければなりませんでした。次世代のメンバーを中心に社外研修を組み、今後どういう視点が必要になるのかを考えさせました。

――新しい挑戦には投資が伴います。既存事業の稼ぎを社内改革の投資に回す以上、投資対効果は問われるのではないでしょうか。

 もちろん考えなければなりません。ただ、会社が変わるポイントに対して、多少の無駄が出てもいいと思っています。それが社員の気付きになり、挑戦させてくれる会社に変わっていると感じてもらえるなら、風土づくりになります。

 以前は、新しいことを考えて提案しても、潰されてきました。私自身がそうでしたし、過去にいろいろな案を出しましたが「余計なことをするな」と言われました。問屋業の枠からはみ出すことを考えてくれない体質だったのです。その悔しさもあります。新しいことにどんどん挑戦できる社風をつくることは、絶対的な軸です。だから「welzo」(植えるぞ)という社名のように「新しい種を植えよう」と社員には言っています。

325億円から501億円へ 水産・大豆・飼料がけん引した売上拡大

――業績を順調に拡大させてきました。社長就任後に、会社はどう変わりましたか。

 社員から「こういうことに挑戦したい」「こうやって拡大したい」という声が出てくるようになりました。数字にも表れています。売上高は、2020年の325億円から、2024年には501億円になりました。直近では520億円前後まで伸びる見通しで、利益も大きく伸びています。

 けん引しているのは水産事業です。農業分野の大豆事業では、九州産だけを扱っていた体制から、全国で産地を開拓できる体制に切り替えました。飼料事業も拡大しています。

――次世代の経営者の育成をどう進めていますか。受け継ぐべきものもあるのではないでしょうか。

 自分の中では、すでに後継者を絞り込んでいます。次の世代がやりやすい土壌を整えて渡すのが、私の使命です。

 継承の障壁は、それほど高くないと考えています。今の経営陣は、100年続いた問屋業の体制の中で歩んできた人間です。縮小する業界のために汗を流してきた彼らの努力は事実で、そのおかげで会社が成り立ってきたことも確かです。しかし、その体制に身を置いてきた人間が、会社の大きなイノベーションを掲げて進んでいけるかというと、私はそう思いません。変わるためには、中核に立つメンバーを大きく入れ替える必要があると考えています。

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「次の世代がやりやすい土壌を整えて渡すのが使命」と語る金尾社長(筆者撮影)

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