インタビュー
» 2008年04月01日 00時01分 公開

「高額品でなく高級品を」――“50万円超”G-SHOCK開発の裏側に迫る+D Style インタビュー(1/3 ページ)

“G-SHOCK”としてのタフネス性能を犠牲にすることなく、質感や仕上げを“高級”と呼ぶにふさわしいクオリティーに高める――“タフな高級品”という、いままでにない価値観に挑戦する腕時計「MR-G」の開発担当者に、インタビューした。

[山田祐介,ITmedia]

 今や耐衝撃性能を備えた腕時計の代名詞ともいえるG-SHOCK。その中でも「大人に向けたG-SHOCK」として、樹脂ではなくメタルのボディを採用した「MR-G」が、今、G-SHOCKの新しい価値を切り開こうとしている。

 1996年に登場したMR-Gシリーズは、1999年のリリースを最後に新モデルの展開を小休止していた。しかし2004年に、電波ソーラー機能、そしてボディの耐摩耗性能を上げるDLC(Diamond Like Carbon)コーティングという新たな特徴を備えた「MRG-2100DJ」が登場。最高峰G-SHOCKとしての新たなスタートを切る。

 2007年3月に発売された「MRG-7500」は18万9000円という価格が話題を呼んだが、同年の11月には28万3500円の「MRG-8000B」が発売され、さらにこのモデルをベースにした限定モデル「MRG-8000G」は52万5000円という――もはや消費税分で通常のG-SHOCKが買えるほどの――価格がユーザーを驚かせた。今回はこのMRG-8000BとMRG-8000Gが誕生した経緯や、モデルに込められた思いを、カシオ計算機 開発本部 時計統轄部 商品企画部 第二企画室リーダーの井崎達也氏に語ってもらった。

photophoto MRG-8000B(左)とMRG-8000G(右)

“高額品”から“高級品”へ

photo 井崎氏

――これまでにない価格が話題になっている今回の2モデルですが、どういったバックグラウンドで誕生したのでしょうか?

井崎氏: MR-Gは「大人のためのG-SHOCK」として展開していますが、あくまでも“G-SHOCK”ですので、そのベースには必ずタフネスの要素があります。メタルモデルを展開する上では、いかに傷をつきにくくするかということをずっと追い求めて材料の開発などを進めてきました。現在のMR-Gの黒いボディはその証で、金型などを強化するために使うDLCの技術を応用した結果、たまたまG-SHOCKのイメージカラーでもある黒になりました。しかしこうした新しい技術を取り入れていくと、価格は8万円、15万円と私たちとしては未知の領域になってくる――するとタフネスだけでは納得してもらえなくて、値段に見合った見栄えや高級感が求められるようになったのです。


photo DLCコーティングを施して2004年に登場したMRG-2100DJ

――それが今回のモデルにつながっていると。

井崎氏: はい。正直なことを言うと、以前は“値段が上がったものが高級品”といった発想でしたが、実際に高級時計を作るメーカーさんにお話を聞くと、「“高級品”と“高額品”の違いが分かりますか?」と質問されました。要は、たとえ10万円の腕時計であっても、高級品を作るメーカーが然るべき演出の仕方やお客様との接し方をすれば、それは高級品だということ。これまでのMR-Gは耐衝撃・耐摩耗性を追求した結果として高額モデルになっていましたが、今回は“価格に見合う仕上がり”というものに、かなりこだわっています。


――なるほど。

井崎氏: 開発を進める上では、各責任者と百貨店さんや高級モデルを取り扱う販売店さんにもお話を聞きにうかがい、高級モデルを作る上での考え方を、アフターサービスといったところまでも含めて共有するようにしました。

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