“OMOTENASHI”のセダン、「ティアナ」に乗った+D Style News(2/2 ページ)

» 2008年07月24日 19時23分 公開
[山田祐介,ITmedia]
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photo 日産自動車 技術開発本部 内外装技術開発部の田村谷誠エキスパートリーダー

 「新型ティアナは“ライフ・オン・ボード”というコンセプトを取り入れて作られた車です。これは、車の文化が成熟し、趣向が多様化していくなかで、いかに速いか、安全か、かっこいいかといったことだけでなく、車という空間の中でいかに満足できるか、信頼のドライビングプレジャーを得られるかという点に力を注ぐ、という考え方です」(田村谷氏)。これは例えば、汚れたスノーボードやサーフィンボードを収納できたり、あるいは住宅事情を考えずに大音量で音楽を楽しめたりと、それぞれのライフスタイルにマッチした、充実感のある空間を提供しようというコンセプトのようだ。では、“OMOTENASHIのクルマ”であるティアナの場合では、どのようなこだわりがつまっているのだろう。

 「まずお話ししたいのが、“空質”というテーマを取り入れたことです。花粉の飛び交う場所や渋滞道路など、どんな環境でも変わらずにきれいな空気を提供することは、“特別な空間”としての車内を演出する要素のひとつです。今回採用した新開発のエアコンシステム(250XV/350XVに標準装備、その他オプション)には、ブドウポリフェノールを含有させることによって花粉のほとんどを除去できる高性能フィルターを採用しました。また除菌効果のあるプラズマクラスターイオン機能や、車外の排気ガスを検知してエアコンを自動で内気循環に切り替える機能も搭載しています」(田村谷氏)


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 さらに、スペックに現われない細かな工夫や品質の追求も、ティアナの“満足感”を支えている。「内装は、単に“車内”というだけでなく、その車がいかに信頼できるものか、品質の高いものかを感じる部分でもあります。これまでいろいろなお客様にお話を聞きましたが、室内を『見る、触る、使う』という流れで、車の信頼を感じているようです」(田村谷氏)。

 「見る」に対するこだわりでは、パーツの精度が挙げられるという。「プラスチックの部品ひとつにしても、それが隙間なくピッタリと埋め込まれていることが車の信頼を高めます。例えば木目調のパーツはワンピースで作られています。途中で分割してしまうと、どうしても個体のばらつきで隙間ができたり段差が生まれたりしますので。また、専用のレーザー計測装置によって車がどういう精度で作られているかをチェックし、携帯電話の外装パーツと同じくらいの精度で車のパーツも管理しています」(田村谷氏)。

 「触る」という動作も、車の品質を確かめる上で誰もが行う基本的なもの。「触り心地のよさというものを研究した結果、“人間の指よりちょっと硬いぐらいのもの”に対して心地よさを感じるという結果がでました。ティアナではシートにパールスエードという非常にキメの細かく触り心地のよい布地を採用していますが、これも、研究の結果に基づいた触感となっています」(田村谷氏)。

photo 従来のプラスチック素材と新開発のものとに、同じ傷を付けた場合の比較

 最後に、「使う」という部分。「車を3年5年と使っていけば、何かで内装をひっかいてしまったりすると思います。今回の内装には、一部に傷が目立たなくなるよう改良を施したプラスチック素材を採用していて、従来と比べて傷自体が小さく収まり、また傷の“白っぽさ”の原因でもある“傷の中の毛羽立ち”を押さえることで、傷が目立ちにくくなっています」(田村谷氏)。

 さらに付け加えれば、ティアナの外装には塗装表面の擦りキズ痕を復元するスクラッチシールドも採用されている。エンジンやボディの耐久性はもちろんだが、“美しさの耐久性”が確保されているというのも、充実感を得られるポイントだろう。

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