夏の太陽にさらされて、汗が流れてしょうがない今の季節。体の芯から涼しさを感じて、かつ究極にモテる方法を知りたい! ということでおじゃましてきた「ABSOLUT ICEBAR TOKYO」。2年前に忽然と東京に出現し、巷の話題をかっさらった、あのアジア初のアイスバー。その人気は、今もすこぶる健在なのである。 氷で覆われた意表を突く新世界。扉を開ければ店内の壁も椅子もテーブルも、そして中心のバーカウンターでさえも、すべてが氷でできているという衝撃。一歩足を踏み入れればマイナス5度の冷気に包まれ、視覚から、皮膚感覚から、ものの見事に別世界へワープできる。そんなドラマティックな非日常が、西麻布の小さなバーで、しかもわずか3500円で体感できちゃうのである。 |
まずは入り口で防寒用ケープと手袋を受け取る。しっかりとケープを着込んで扉を開けると、そこにはエアーロックルームが。そしてついに3枚目の扉で、透明な氷が輝くバースペースへと通される。 目の前に広がる幻想的な世界と、体温がみるみる下がるような快感に、あっという間に凌駕されてしまう。今まで生きてきた中でこれほどの氷に囲まれたことはあっただろうか? LEDライトに照らされ、何もがキラキラと静かで上品で力強い光を放っている。視覚的な目新しさと低温刺激で五感がフルに動き出すのか、目に映るものすべてが新鮮で、急に頭がさえわたってくる。 |
当然、ディナー前やディナー後のデートスポットとしての利用も多く、クリスマスやバレンタインは特に混み合うとのこと。ここでプロポーズして成功したカップルもいるらしい。こんな壮麗な雰囲気の中でプロポーズをされるなんて夢みたいな話である。 そもそもこのアイスバー、本家はスウェーデンに実在する氷のホテル「ICEHOTEL」。本家と同じく、内装、外装すべて、スウェーデン北部のトルネ川から切り出した天然氷でできている。ストックホルム、ミラノ、ロンドンにも同様の「ICEBAR」が作られ、ここ東京はアジア初となる4軒目の店舗だ。 6月と10月の年2回、店内の氷が総リニューアルされ、「ICEHOTEL」から専属デザイナーチームが来日し、氷に流麗なアートを施していくのだそう。今期のテーマは「スナップショット」。人の目やカメラレンズなどのデザインが店内に生かされ、同じ氷という素材なのに、それぞれまったく違う表情を見せてくれる。 |
さらに、アイスバーの最大の楽しみは、スウェーデンで削られ、大切に送られてきたスペシャル版の氷のグラスですするカクテル。「ABSOLUT VODKA」をベースに、エスキモーハットをかぶったバーテンダーが作ってくれるので雰囲気も抜群! 手袋をはめた手で持ち上げる時は滑りやすいのでご注意を。 |
なるほど、アルコールの中に氷が収まったロックではなく、氷の中にアルコールが収まった逆ロック。周りの氷が溶けることで徐々に薄まっていき、さらにはグラスの縁が、体温で唇の形に変わっていくのが面白い。 冷たいカクテルで急に寒くなってきたので、急ピッチでグラスを開けようと頑張ってはたと気づく。お酒に弱い私なのに、先ほどからまったく酔いを感じないのはなぜ? 答えは「店内では血管が収縮し、お酒があまりまわらないから」のようだ。そして探検を終えバーを出た瞬間、血液が体内を巡り始め、数歩で酔いが回りだし心臓はドキドキ! ……そんなシーンで、手を握られるのは、あまりにも自然なアプローチなのかも。 かじかんだ体が夏の夜気に馴染んで解けていくように、ココロもするするとほどけていく。火照った体と心をクールダウンさせ、恋を自然にスタートさせよう! |
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取材・文/華麗叫子
編集/似鳥陽子
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