中東の真珠・マスカットへの誘い特集 美しき古の都市(1/3 ページ)

» 2008年10月06日 09時30分 公開
[ITmedia]
  • リゾート都市・マスカットで
伝統的アラブの文化に触れる
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リゾート都市・マスカットで 伝統的アラブの文化に触れる

 オマーンという国名を聞くと、多くの日本人が思い浮かべるイメージはサッカーだろうか。ましてや、マスカットという都市の名前を聞いて、どこの場所にあるかすぐに分かる読者は、そう多くはないだろう。世界の火薬庫と呼ばれる中東にあり、1970年まで鎖国状態だった外国人比率の低い都市というと、テロなどの危険を感じる方もいるかもしれない。

 そんなイメージを思い浮かべながら、マスカットに行くと驚かされる。ドバイから飛行機で約1時間。近代リゾート都市であるドバイに比べて、マスカットはのどかなアラブ情緒を醸し出している。

 空港に並ぶタクシーの列の間を、純白のディスターシャに身を包んだ運転手が客の荷物を持ってゆったりと歩いている。タクシーに使われている乗用車はどれも真新しく、運転手は紳士的だ。タクシーの運賃は何と、運転手と直接交渉だそう(!)。「た、高くとられない?」と心配したものの、相場は20キロで約7RO(1ROは約300円)とのことで、そう高くはない。また、心配ならば、タクシー乗り場前の案内所で行き先を伝えれば、案内所が運転手と交渉してくれ、そこで提示される以上の金額をとられることはない。観光スポットを複数回りたければ、1時間で10RO程度での貸し切りも可能である。

マスカット

 マスカットへ来たならば、まずは、異教徒でも閲覧が許されるへスルタンカブースグランドモスク行こう。オマーンのモスクはGCC諸国の中でも優美な建築が多いと評判で、特に最大のモスクであるスルタンカブースグランドモスクは、2001年の建築完成と比較的新しく、多くの観光客が訪れる溜め息がでるほど美しいモスクだ。空港からも近いので、帰りがけに寄ってもいいだろう。ドレスコードは厳しく、入り口で係員にチェックされる。女性の場合は、髪の毛や肌を露出してはいけない。白亜の大理石の輝きが目にも眩しい敷地内に入り、靴を脱いで中へと進むと、見事なモザイク装飾の内装にドイツ製のシャンデリアが煌めき、GCC諸国一というゴージャスで荘厳な空間に圧倒される。ちなみに、異教徒は午前中の閲覧しかできないので注意!

スルタンカブースグランドモスク

 伝統的アラブ色が濃いとはいっても、オマーン人は、戒律の厳しい回教国のサウジアラビアなどに比べて、意外にも開放的である。女性の外出をあまり好まないアラブ社会だが、オマーンの場合は女性も働いており、街をそぞろ歩いているし、あからさまに単体で撮るのではなく遠目で景色として撮るならば、カメラを向けても大丈夫(できれば一声かけてからの方がベター)。それとカメラについての注意点だが、意外と多湿であるオマーンは、冷房の効いた室内から外へ出るとレンズが曇ることが多いので注意しよう。

 女性独特の民族服であるアバヤも、よく見ると、さまざまなシルエットやデザインのものがあったり、刺繍やラインストーンなどの装飾が施されており、アラブの女性も十分おしゃれを楽しんでいるのが分かる。

マトラスーク

 アラビア半島最大のスーク(バザール)であるというマトラスークもぜひ訪れたい。アラビア海に面した美しいスークで、対面の港からはアラビア海へのクルーズ船が出ている。狭い路地がいくつも分岐し、色とりどりの商品が溢れるスークは、特に夜に行くと、アラビアンナイトの世界に迷いこんだかのような気持ちにさせられる。貴金属や布製品、靴、干し柿に似た味わいのデーツ(ナツメヤシ)、蜂蜜、銀製のハンジャル(短剣)、雑貨、お香、香水など、品数も豊富で安いので、おみやげ選びにも最適である。店主はインド人が多い。ドバイもそうだが、ここでもインド人の商魂たくましさを実感!民族衣装のディスターシャやアバヤ、帽子なども手に入れることができるので、こちらで衣服を調達してマスカットの街を歩けば、行き交うオマーンの人々は笑顔で「GOOD!」と親指を立ててくれるだろう。

サンダルウッドや乳香などの香料と香台が詰まったお香セットは2RO!

取材・文/似鳥陽子



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