海を目指せっ! 東京のオフィス街で船長になる特集 都会でゲットする大海原へのチケット(1/3 ページ)

» 2008年10月15日 09時30分 公開
[ITmedia]
合格率は意外と高い 「小型船舶操縦士」

 「艦長」「船長」という言葉に、ぐぐっと引かれるニッポン男子はけっこう多い(いや、女子でもかまわないのですが)。さすがに、大きな軍艦や客船の艦長船長となると、その道を極める学校を出ないとなることはできないが、パワーボートやセーリングクルーザー(日本では、セーリングクルーザーを“ヨット”と呼ぶことが一般的なので、この記事でもそう呼ぶことにしよう)のアマチュア船長になるのは、それほど難しいことではない。

“外洋”を目指すなら“1級”に挑戦しよう

 車を運転するのに「普通自動車免許」が必要なように、エンジンつきの小型船舶を操縦するのに必要になるライセンスが「小型船舶操縦士」だ。自動車免許よりも情報は少ないし耳慣れないし周りで持っている人は少ないしで、その正体がなかなか見えないだけに、「難しそうだ」というイメージを持たれている国家資格だが、その難易度や取得にかかる時間は思いのほか容易で短時間。水上バイクの免許である「特殊小型船舶操縦士」や、湖で走るバスボートの免許となる「2級小型船舶操縦士(湖川小出力限定)」となると、よく聞く話になるのではないだろうか。海で走る小型船舶を操縦する一般的なライセンスとなる「1級小型船舶操縦士」と「2級小型船舶操縦士」は、それらの上位グレードになる。

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 よくあるのは「ボートの免許を取りたいけれど、1級と2級のどちらを取ればいいのかな」という疑問だ。1級小型船舶操縦士と2級小型船舶操縦士の違いを端的にいうと「遠くの海まで行けるか行けないか」となる(18歳未満の場合、2級小型船舶操縦士で操縦できる船の大きさにも違いが出る)。「遠くの海」の具体的な説明として法律に示されているのが「平水区域および海岸から5海里以内」という基準だ。2級小型船舶操縦士の船長は平水区域と定められている海の境界と日本の海岸から5海里以内にある海域でしか船で行けないことになる。

 ここで、問題になるのが「5海里」という距離。海で扱う距離の単位は海里だが、これは、普段慣れているキロにすると「1.852キロ」になる。5海里ということは「9.26キロ」になるが、5海里にしても9.26キロにしてもそれが船で遊ぶのにどういう影響があるのか、なかなか分かりづらい。

伊豆諸島へのクルージング

 そこで、(関東海域に限った話で申し訳ないが)船で遊ぶ場合に引っかかってしまう具体的な制約を紹介しよう。それは、「2級小型船舶操縦士では、(伊豆)大島にすら航海することができない!」ということと、「東京湾から伊豆半島にまっすぐ航海することができない!」ということだ。沿岸でヨットレースをするだけ、または港の近くで釣りをするだけならば問題ないが、船長となって夢膨らむ「クルージング」となると、関東海域なら伊豆諸島は憧れの海となる。ところが、伊豆諸島の玄関口ともいえる、大島の波浮港にこの連休に行ってみようか、と思い立っても、相模湾の真ん中から先に行くことができないのだ。これは悲しいっ!

 だから、「これから船舶免許を取って船長になるぜ」と思い立ったなら、ぜひ、1級小型船舶操縦士にトライしてほしい。

時間がない人にオススメの“オフィス街のライセンススクール

 ここで「えええー、1級免許って難しいんでしょ。合宿教習じゃないと取れないって聞くけど、そんな時間取れないよ」と思った船長予備軍の方、その指摘は鋭い。さては、やる気はあったけど、時間の壁に負けましたね。

 確かに、1級ライセンスを取るのは難しい。しかし、これは、「試験が難しい」ということではない。実際、最近の1級ライセンスの合格率は8割を超えるという(ええええー、これは筆者がビックリ。私が取得したときは3割とか言われていたのに)。正直、試験勉強さえしていれば、学科で合格圏内の点数を取るのは何ら難しくはない。

 「難しい」のは試験勉強に必要とされる時間を確保するのが難しいのだ。小型船舶操縦士の学校としてよく知られているのが、プロの船乗りを育てる「海技学校」が行っている合宿授業で、1週間の合宿でライセンスが取れるようになる。しかし、働き盛りのビジネスマンには、その1週間の合宿に参加するのが難しいだろう。最近では、マリーナにライセンススクールが併設される場合も多いが、それとて、多くのマリーナはオフィス街からちょっと離れたところにあるため、仕事帰りに通うのは難しい。時間の壁のために、どれほど多くの男たち(すみません。船長を目指す女性も意外と多いのですよ)が船長になる夢をあきらめてきただろうか。

ロープの結び方なども勉強する。知恵の輪感覚で楽しもう

 しかし、この悩みを一気に解決してくれるライセンススクールが、オフィス街のど真ん中、山手線「田町駅」から徒歩10分というロケーションにある。それが、「tokyo harbour b.l.s.」(東京ハーバー ボートライセンススクール)だ。IT戦士には「NECのロケットビル」(NECの本社ビル)でおなじみかもしれないが、その反対となる駅の東側には、すぐそこに東京湾に面した運河が張り巡らされている。tokyo harbour b.l.s.は、その運河に面した芝浦アイランド エアテラスに教室を構え、運河に専用の桟橋には教習艇まで用意している、世界でもまれな「オフィス街のマリーナ」なのだ。

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tokyo harbour b.l.s.03

「tokyo harbour b.l.s.」

東京都港区芝浦4-22-2
http://www.tokyo-harbour.jp/

取材・文/+D Style編集部



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