海を目指せっ! 東京のオフィス街で船長になる特集 都会でゲットする大海原へのチケット(3/3 ページ)

» 2008年10月15日 09時30分 公開
[ITmedia]
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「レンタルボート会員」で 都心で手頃なクルージング
「ペーパー船長」が増える理由

 ようこそ、新船長。これで、あなたも、海の仲間だ。しかし、多数誕生しているはずの小型船舶操縦士だが、その多くが「ペーパー船長」にとどまっているという。その理由の1つが、「だって、船を泊めるところがないんだもの」という問題だ。潜在的なボート、ヨット需要に対して、都会の収容能力の乏しさは大変逼迫している。とはいえ、ひと昔前の三浦半島に集中していた葉山、逗子に代表される「老舗の超高級」マリーナは非現実としても(いや、経済的な余力があるなら、ロケーションと設備に恵まれた三浦半島のマリーナはとても使い勝手がよろしいです)、横浜や東京・夢の島に登場した大規模マリーナの登場によって、8メートル以内のボートやヨットなら、月額4万円以下で船を泊められるようになった。「単純計算で10年待ち」といわれた需要と供給のバランスの悪さも、横浜ベイサイドマリーナのような1000隻を超える収容能力を持つメガマリーナの登場で、ひところの逼迫感は解消されている。

 とはいえ、横浜ベイサイドマリーナや夢の島マリーナといった都市型マリーナでも、都心のオフィス街から仕事帰りに徒歩で行くにはちょっと遠い。ましては、三浦半島や伊豆半島といったロケーションに恵まれたマリーナとなると、仕事帰りにちょっと、というのは不可能に近い。いま、船を持とうとする気持ちのハードルとなっているのは、経費、場所の確保といった従来の問題以上に、「船にいくまでの手間と時間を確保するのが大変」というところになっている。

 tokyo harbour b.l.s.は、この「ペーパー船長」の問題を解決する方法を持っている。まず、手間の問題に対する解答が「レンタルボート会員」だ。これまでも繰り返し紹介してきた、山手線の駅から徒歩10分で船に乗って出港できるというロケーションのおかげで、とても気軽に船で遊べるのは、とても大きなメリットになる。東京区内にある都市型マリーナとして人気のある東京湾マリーナや夢の島マリーナも、仕事帰りにふらりと気軽に行けるロケーションではない(最寄の駅から暗い道を結構歩くしね)。そういう比較でいうと、山手線の駅から歩いて10分というロケーションは「仕事帰りにちょっと寄っていこうか」という気軽なノリでのクルージングが十分可能になる。

 実を言うと、都心のオフィス街の駅から徒歩圏で出港できる港とマリンクラブがこれまでもあるにはあったのだが、場所が工業地域ということもあって、ちょっと殺伐とした雰囲気を醸し出していたりした。tokyo harbour b.l.s.は、整然とした街並みの運河に桟橋を構えているので、出港してすぐの運河から眺める夜景で気分は華やぐ。そして、水門をぬけて、ゆりかもめや新幹線の架橋をくぐって、ものの10分も経たないうちに、正面にレインボーブリッジ、右舷にお台場、左舷に晴海ふ頭とその背後に広がる東京の中心部という、テレビや映画でおなじみの風景が広がってくる。会社を出てから1時間もしないうちに、世界でも有数のアーバンクルージングエリアに到達できるのだ。

アーバンクルージングエリア01
アーバンクルージングエリア02

 tokyo harbour b.l.s.のレンタルボートクラブは、入会金15万円だが、当スクールの卒業生なら5万円に減額される。月会費は2万円、それに、ボートをレンタルするときに2万円から3万6000円+燃料代がかかるが、これも自分の船をマリーナに係留しているより安く済む。tokyo harbour b.l.s.が所有するレンタルボートは26フィートのパワーボート「ポーナム26」と24フィートのパワーボート「マクサム2400SCR」の2隻。どちらも、フィッシングに特化した「釣り船」タイプではなく、4〜10人程度のクルージングをゆったり楽しむためのファミリークルーザーなので、インテリアも品がよく、ゆっくりと航海とパーティを楽しめる(ポーナム26には、いけすも用意されていて釣りも楽しめる)。仕事帰りの一杯感覚でナイトクルージングを楽しむのもよし、休日に家族や友人を誘って午後のひとときをお台場を眺めながら楽しむのもよし、と万人に楽しんでもらえる。

 免許を取って、すぐにベテランと同じように船を扱えるわけではない。初めて海に出るときは、だれもが不安になるものだが、tokyo harbour b.l.s.のレンタルボート会員には、初めて出港するときとその次に出港するときの2回、インストラクターが無料で上船して航海のアドバイスをしてくれるサービスを用意している。また、難易度の高い夜間航海ではtokyo harbour b.l.s.のスタッフが必ず操船することになっているので、海からの夜景を眺めながら、ゲストと思う存分楽しめるのもレンタルボートクラブのメリットだろう(ナイトクルーズでは、周囲の見張りと安全に操船するだけで精一杯で、ゲストとまったく楽しめなかったりするのだ。経験者談)。

 さらに、tokyo harbour b.l.s.には、大人数でパーティを楽しめる大型クルーザーも用意している。それが、カタマランクルーザーの最高峰とも言われている「ラグーン」(40フィートモデル)だ。2つの船体を横に並べてつないでいるカタマラン(双胴船)は横幅が取れるので普通のモノハル(船体が1つ)クルーザーより大きなキャビンを確保でき、かつ、「テーブルに置いたタンブラーが倒れない」ほど揺れの少ない航海が可能になる。tokyo harbour b.l.s.のラグーンはチャーター専用なので、操船は2人のスタッフにまかせて、たくさんのゲストと一緒に優雅なキャビンで東京湾クルーズを楽しめる。

ラグーン01
ラグーン02
ラグーン03

 多くの人が思っている以上に街から海は近い。そして、船長になるのはまったくもって難しくない。海に囲まれているのに海を楽しめない日本だが、ようやく、それが可能になるインフラとサービスが整ってきている。「船長になりたい!」という気持ちを秘めたまま大人になってしまった多くの日本人は、もっともっと船に乗って海に出てみよう。tokyo harbour b.l.s.なら、それこそ「仕事帰りに、ちょっと海に出てみる?」ができるのだから。

取材・文/+D Style編集部



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