一番売れてる車の“アニキ”はいかに? ワゴンR スティングレーに乗ってみた+D Style モテるクルマの選び方(2/2 ページ)

» 2008年11月26日 10時48分 公開
[今井優杏,ITmedia]
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photo ヒロビロ室内、後部座席から撮ってみました

 さて、内装はしっとりなスティングレーですが、いったんアクセルを踏めば元気のイイ加速を楽しむことができます。数値で言えばこの車格・車重で64馬力という高出力ですからね、速いですよ。びゅん! という感じです。


photo 私が乗って手を伸ばしてもこの余裕……後部座席

 このターボエンジン、新開発の高過給化ターボチャージャーが採用されています。低速からのトルクは思わず「おおお!」と声が出てしまうくらいの“押し出され感”で、しかもそのトルクは全然途切れない。坂道の途中の再加速だって難なくこなします。

 それだけじゃない、新開発ターボエンジンには驚きの快感加速に“低燃費”といううれしいオマケが付きました。10・15モードでなんとリッター21.5キロ。財布にやさしいんです。なんかテレビショッピングみたいになってきちゃいましたが、本当です(笑)。


photo ワゴンRといえば、の助手席シート下の通称“バケツ”。水モノに限らず、スーパーの袋なんかも転がらなくてGOOD。試乗期間中、めっちゃ使いました

 わ〜い、と楽しく運転していて、ふと、あまり疲れていないことにも気付きました。ドッカン加速のターボ車は、パワフルな一方で挙動がピーキーとも言えますよね。だけどスティングレーはそこまで暴れん坊ではありません。振り回される感じがなくて、あくまでも“日常にシゲキ”なくらいの元気さ。この辺も私の身の丈に合ってるのかしら。

 さらにこの“疲れなさ”はロングホイールベースと新型プラットフォームの恩恵でもあるでしょう。操縦安定性がとっても高い。15インチタイヤと組み合わされたことで、ステアフィールも重厚で操作感が快適です。


photo シートアレンジは簡単!後部座席がワンアクションでこの空間に!

 また、タイトなコーナーに入ったら、その締まった足回りにも感激しました。特に複合コーナーなどでその安定性が発揮されます。最近のスズキ車全般に言えることですけど、足周りは本当にイイです。余談ですが、最近発売されたスプラッシュもアシが最高によかった。スタイリングも粋ですしね。

 気になる7速CVTとパドルシフトの組み合わせですが、これは予想通り楽しかった。特にシフトダウンの味付けがうまく、全然ギクシャクしない。Dモードで走行していてもパドルシフトを操作することで一時的にマニュアルモードに変わってくれますから、気軽に使えます。


photo エンジンルーム。この小ささであの加速……軽自動車のテクノロジーはスゴイ……

 坂道の多い地区にお住まいの方にはもちろん、マニュアル車好きのお父さんにもオススメしたいな。実は私の父もパドルシフト愛好家で、「これがあったら運転おもろいねん!」とご満悦。若い人向けの印象のあるパドルシフトですが、案外アラウンド60世代にもウケるようです。

 ただ、残念なのは少しこのパドルが小さいこと。かなり手をステアリングの向こうにスライドさせないと届かない感じ……もう少し大きいと、手の小さい女子も扱いやすいんだけどね。


photo このキーレスエントリーボタンはちょっと残念ポイント。ボタンが小さいので、爪の長い私、めっちゃ押しにくい

 正直に言えば、パドルシフトが軽自動車に必要だとはそこまで思いません。だけどあえてパドルシフトを付けた、その遊び心――これは開発者のクルマに対する夢ですよね。このクルマにはクルマを作ってる人のちゃめっ気がある。クルマ作りを楽しんでる感じがする。「軽自動車にパドルシフト付けちゃった。でも楽しいでしょ?」――そんな開発者のウインクが見えるよう。

 個人的に、そこが一番のオススメポイントです。

 スズキさんにはもっとずっと、クルマ作りにアグレッシブでいてもらいたい。こういうチャレンジングなクルマ、もう国内では少なくなってきているように思うから。

筆者プロフィール

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今井優杏(イマイ ユウキ)

2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!



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