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» 2009年02月06日 19時42分 公開

+D Style News:世界最高峰の時計師たちが作る夢の複雑時計 メートル・デュ・タン来日発表会

時計師たちが技術の粋を集めて生み出した究極の複雑時計、メートル・デュ・タン「チャプター1」。その魅力と、2009年のバーゼルで発表する新作「チャプター2」が語られた。

[山田祐介,ITmedia]
photo 6つの複雑機構を備えるメートル・デュ・タン「チャプター1」

 トゥールビヨン、コラムホイール式のモノプッシャークロノグラフ、日付・GMTを表示する2つのレトログラード機構、そしてローリングバーによるムーンフェイズと曜日表示――これだけの複雑機構を1つの腕時計に詰め込んでしまった、驚異のコンプリケーションウォッチがメートル・デュ・タン「チャプター1」だ。2008年のバーゼルワールドでお披露目され、11月からデリバリーが開始されている。

 月産本数はわずか3本で、価格は4158万円……まさに雲の上の存在なのだが、今回はそのこだわりや、“チャプター1よりもかなり価格が抑えられる”という次回作「チャプター2」に関して、ブランドのCEOスティーブン・ホルツマン氏と、時計師ピーター・スピークマリン氏が語ってくれた。

photophotophoto こちらはチャプター1のブラックバージョン

自由を求めて独立した時計師たちの「協力」により生まれたマスターピース

 時計業界の敏腕プロデューサーであるホルツマン氏が思い描いていた「複数の時計師が協力した、チームとして生み出す最高の作品」を実現すべく誕生したメートル・デュ・タン。彼の呼びかけによって、チャプター1の製作ではスピークマリン氏、ロジェ・デュブイ氏、クリストフ・クラーレ氏という、3人の巨匠が技術の粋を持ち寄った。

photophoto スティーブン・ホルツマン氏(左)と、ピーター・スピークマリン氏(右)

 ホルツマン氏いわく「1つの厨房に3人のシェフがいる」ようなもので、世代も哲学も様式も違う独立時計師たちの主張を1つの作品にまとめ上げるのは困難を極めたという。

 「自由を求めてあえて独立している時計師たちが、チームとして協力する点に、このブランドのユニークさがある。クリストフはフランス、ロジェはスイス、私はイギリスの人間で、国も言葉も世代も違うけれど、だからこそユニークな作品を生み出すことができた。どんなDNAも持たない全くの白紙の状態からブランドを立ち上げ、2人の巨匠とともに仕事ができたのは、本当に素晴らしい経験だった」(スピークマリン氏)

 3年の開発期間を経て生まれたメートル・デュ・タンのファーストコレクションは、まさに世界に類を見ない至高の複雑時計に仕上がった。物語の“チャプター1(第1章)”にふさわしい、壮大な船出だ。

 またホルツマン氏は、こうしたコラボレーションが時計業界の発展にも繋がると考えている。「スイスの時計業界では世代から世代に“匠の技”が継承されることが重要。世代の違う時計師が一堂に集まることで、技の継承にも貢献できたと思っている」(ホルツマン氏)

複雑機構のオンパレード――「チャプター1」

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 チャプター1においてとりわけ個性的なのは、ケースの上下部分の独立した小窓に設けられた、ローラー式のムーンフェイズと曜日表示。このロールバーをどのように時計に組み入れるかが、ひとつの課題だったとスピークマリン氏は明かす。下部分の曜日表示は、文字盤3時位置の日付表示とリンクした機構。上部分のムーンフェイズは、回転しない外側のロールと、回転する内側のドラムとの2層構造になっており、肉抜きされた外側のロールからのぞき見える絵柄が、ドラムの回転に合わせて変わっていく。月の絵だけでなく、星が瞬く演出も施されていて、見る者を飽きさせないユニークな月齢表示となった。


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photo 複雑機構の搭載により、ケースの厚みはかなりあるが、それを感じさせない優雅なラインが描かれている

 複雑時計の華であるトゥールビヨンは、10年前にクラーレ氏がデザインしたものをベースに、デュブイ氏がよりエレガントな演出を施し、さらにスピークマリン氏が最終的に手を加えているという。ムーブメントは548点のコンポーネントで構成されており、仕上げや組み立ては手作業。4〜6週間を費やし、完成する。

 ケースも104点のコンポーネントに分けられ、さまざまな機能とリンクしたプッシュボタンが設けられている。さらにボタンには誤作動防止のためのブロック機構までも備えられているというから驚きだ。複雑なムーブメントをケースに収めるまでには困難な道のりがあり、「製作を委託したケースメーカーはスイスでも最高峰のメーカーだが、それでも“このケースを作るために、自社の技術をより高い次元に持っていく必要があった”と言っていた」(スピークマリン氏)という。

気になる「チャプター2」は?

 「章が重ねられて1つの本ができる、そんな思いがこめられている」(ホルツマン氏)というメートル・デュ・タンのチャプターシリーズだが、その第2章「チャプター2」についても、ポイントが明かされた。

 まずチャプター2は、チャプター1に比べてシンプルで小さなタイムピースになるようだ。とはいっても、開発には3年が掛かっており、その作業は決して簡単ではなかったという。チャプター1のハイライトであるロールバーの機構も搭載。価格はかなり低く設定される。開発に携わるのは、スピークマリン氏、デュブイ氏、さらにダニエル・ロート氏の3人となっている。

 チャプター2は、2009年のバーゼルワールドで正式に発表される予定で、全貌が公開される時はもうすぐだ。また全部で“6章”が企画されているというチャプターシリーズの今後にも注目したい。

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