本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。司書見習いのサヤが何やら写真を見ていますが……。
この街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。
そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。
ミソノの好感度を上げようと、今日もお気に入りの1冊を持って書架にメイドがやってきます。
あら、素敵な風景ですね。どこかへお出かけしたの?
以前、古事記ゆかりの地を旅した時に撮った写真たちです。事前に古事記のことを勉強してから行ったので、ここであの神話のあの出来事があったんだなあと想像を巡らすことができてすごく楽しかったですよー。
古事記ですか。ヤマタノヲロチや因幡の白兎のお話はすぐに浮かんできます。それぞれが独立した神話としてなじみ深いかもしれません。
確かに通して読もうという気にはなりづらいですよね。冒頭の「アメツチハジメテヒラケシトキ……」とか、最初からなんだか威嚇されているような気がしませんか? あ、でもでも、こうの史代さんの『ぼおるぺん古事記』は書下し文にマンガのような感じで絵がついていて、すごく読みやすいんです。
あらまあ、抜群に読みやすいのね、これ!
この本のいいところは、自分の知識とか想像力では埋められない隙間を、絵が埋めてくれるところなんですよ。例えば書下し文の「五百箇眞賢木を根こじにこじて」とか、何のことだかさっぱり分からないし、かといって長々しい現代語訳とか注釈を見るのもなんとなく興ざめな感じがしますよね。でも『ぼおるぺん古事記』なら、それが何なのか、絵を見ただけでぱっと分かるんです。
絵も穏やかで、それでいて味わいのある可愛らしさですよねぇ!
そうなんです! 力が強い男神とか麗しい乙女とか、個性豊かな神々が可愛いタッチで描かれているところも素敵ですよね。それだけでなんだか神々が身近に感じられる気がしませんか?
中でも天の石屋戸神話のところは、神々がとても生き生きと身近に感じられるのでお気に入りです。岩屋戸に引きこもってしまった天照大神を外におびきだすために、神々がどんちゃん騒ぎをするというお話なのですが、その様子が本当に楽しそうなんです。わたくしが天照大神だったとしても、気になって岩屋戸を開けたくなっちゃうだろうなあと思ってしまいました。
独特の言い回しに、ところどころちょっとした書き込みがついているのも分かりやすくて嬉しいわー。
『ぼおるぺん古事記』は、古事記の神話の世界をすごく身近に感じることができるんですよ。興味はあったけど今までなかなか手が出せなかったという人でも、『ぼおるぺん古事記』でならきっと神話の世界を楽しめるんじゃないかなと思います。
本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?
エリス:12% レイラ:35% サヤ:48%
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