国内開催10回目となったLinuxWorld。講演やブースではOS主体のアナウンスが消え、いよいよサービス基盤としての真価が問われるようになってきた。
1999年に第1回目が開催され、今回で10回目となった「LinuxWorld」。6月4日(金)まで東京ビッグサイトで開催中の「LinuxWorld Expo/Tokyo 2004」では、「LinuxをChoiceする」と題したキーワードを掲げ、ビジネス面での有料サービスとしてのポジションを探り、TCO削減の追求、応用分野の模索、政府機関からの注目理由、安心さの確立などをカバーする講演や各社のブースが揃った。
Linuxは、単なるプラットフォームとしてではなく、サービスの土壌としての真価が問われるようになってきたといえる。主要な出展社ブース模様を順不同でお送りしよう。
ミラクルリナックスは、6月30日から出荷する「MIRACLE LINUX - Asianux Inside」を始め、外部からの不正アクセスや情報漏洩を防ぐためのソフト「MIRACLE HiZARD」などのデモを行っていた。MIRACLE HiZARDは、MIRACLE LINUXを始めとするサーバのアクセス制御をGUIにより行えるセキュア製品。
IBMのブースでは、自社のeServer(zSerise)やIBMソフトウェア(DB2、WebSphereなど)、協賛するベンダーが多数並んでいた。下写真右は、先ごろ発表されたばかりの「Lotus Workplace 2.0」の参考出展。Javaでデスクトップを実現するWindows対抗の製品だ。
64ビットPOWERプロセッサのダイが見えるよう出品もあり、搭載サーバも展示されていた。また、デベロッパー向けの開発ツールが揃う「IBM developerWorks Subscription」CDに評価版が含まれている、VBアプリケーションをJavaベースへと変換可能なツールもデモされていた(下写真右)。本格的な移植はIBMがサービスとして行うものだ。
NECは、Itanium2搭載のブレードサーバの参考出展を始め、Linux搭載のExpress 5800シリーズ、CLUSTERPRO for Linux 3.0を出展していた。下写真右は、NECが展示を行っていたIP電話のLinux組み込みシステム(IP電話付き情報端末ソリューション)。また、Linux採用ケータイの参考出展もあり、手に取る人が多く注目が集まっていた(関連記事)。
HPのブースはオラクルと同じくセミナーベースとなっていた。Linux運用の手間を軽減すべく、さまざまな製品が紹介されている。下右写真は、「Compartment Guard for Linux」のセミナー模様。この製品では、Linuxのセキュリティ対策を支援すべく、さまざまなガード機構機能が搭載されている。
ノベルは、IBM、NECなどに次ぐLinuxWorld牽引ベンダーとなった。巨大なブースを構え、SUSE Linuxを始め、Nterprise Linux Service、Nsure Identity Managerなどを揃え各種のソリューションをデモしていた。下写真右は、SUSE Linux上のNterprise(iManager)ログイン画面。
下写真左は、NterpriseのメインとなるVirtual Office画面。ここから各種のサービスへとアクセスが可能だ。また下写真右は、WindowsとLinuxのアカウント、パスを同期するiManager上の設定画面。ステータス状態と共に、設定時も視覚的な画面で行える特徴を持つ。
サンは、東京フォレックス・フィナンシャルによるSun Java Desktop System搭載PCのデモを行っていた。
富士通は、64ビットIAサーバPRIMERGY RXI600、ブレードサーバPRIMERGY BX600を始め、Interstageシリーズなどの出展が目立った。
ターボリナックスは、次期バージョンコードネームCelicaの参考出展を始め、Turbolinux 10F...のデモが主なところだ。Celicaの現段階では、カーネル2.6.6が採用されていることが分かる(下写真右)。
日本オラクルは、昨年に続き実践的なセミナー開催を始め、ラウンジ「Oracle Cafe」ではコーヒーをサービスすると共に来場者からの相談を受け付けていた。
大塚商会、テンアートニ、トレンドマイクロは共同ブースを構えていた。大塚商会の各種のサービスを搭載するアプライアンスサーバEasyNetBox、テンアートニのRed Hat向けの拡張ライセンスサービス、トレンドマイクロのServerProtect for Linuxなどが目立った。
日立ソフトからは、1回の認証で複数のWebアプリケーションが使用できるソフト「SRGate」が展示されていた。この製品は、よりセキュア化すべくSELinuxへと対応させた新バージョン(下写真右)。
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