マイクロソフト、サーバのデータを安全に移行させるための無償ツールを提供

マイクロソフトは6月8日、既存のファイルサーバから、データを安全かつ簡単にWindows Server 2003上へ移行させるツールの無償ダウンロード配布を開始した。

» 2004年06月09日 13時57分 公開
[ITmedia]

 マイクロソフトは6月8日から、Windows NTなど既存のファイルサーバから、Windows Server 2003を利用したファイルサーバシステムへ安全かつ簡単にデータを移行させるための「Microsoft ファイルサーバー移行ツールキット」の無償提供を開始した。

 Microsoft ファイルサーバー移行ツールキット(FSMT)は、Windows NTやWindows 2000などを利用したファイルサーバ内データを、安全かつ簡単に最新のサーバOSであるWindows Server 2003上に移行するためのツール。各部門・部署などに散在しているファイルサーバを統合して、管理・運用コストの削減やユーザーの使いやすさを向上させることを目的とする。

 ファイルサーバの移行には、いくつかのリスクや手間を伴う。人為的なミスによるデータ喪失、また複数のサーバをまとめるときに同一の名前を持つフォルダをどう管理するか、セキュリティ(アクセス権設定)はどうするのか……といった問題が存在する。

 にもかかわらず、メールサーバなどに比べて厳密に管理がなされているという企業は現状でもごく少数にとどまると、同社サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 シニアプロダクトマネージャーの高田信純氏は指摘する。また、こうした企業利用がされているWindows Serverの5台に1台は依然としてWindows NT Serverであり、そのうち60〜70%はファイルサーバとしての用途であるという(高田氏)。

 こうした現状と、ファイルサーバ移行に関するリスクや手間を軽減させるソリューションとなるのが、このFSMTだ。GUIベースのウィザードで構成されるこのツールは、ほぼ自動的にデータ移行が行え、上記の問題をすべて解決できる。

ファイルサーバー移行ウィザード。

 操作はすべてウィザードに従っていくだけで完了する。移行元のサーバにあるフォルダを指定し(複数可)、移行先サーバのフォルダを指定する。その際、フォルダ名は自動的に付与され、元フォルダのアクセス権設定といったセキュリティ情報を受け継ぐかどうかの設定も行える。すべて完了するとレポートが作成され、処理が正しく行われたかどうかを確認できる。

 データ移行後も、フォルダへのアクセスに利用するUNC(Universal Naming Convention)を変更したくないといった場合には、同ツールに含まれるもう一つの「DFS統合ルートウィザード」が利用できる。このウィザードを利用するだけで、DFS(分散ファイルシステム)統合ルートサーバを導入し、移行先のサーバパスをDFS経由に設定できる(DFSサーバがあらかじめ必要)。

 FSMTが利用できるのは、移行元がWindows NT Server/Windows 2000 Server/Windows Server 2003/Windows Storage Server 2003の共有フォルダ、移行先はWindows Server 2003またはWindows Storage Server 2003となる。また、DFS統合ルートサーバーはWindows Server 2003 Enterprise EditionまたはDatacenter Edition上で稼動していることが条件。

 FSMTのダウンロードは同社のWebページから行える。

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