シスコは6月18日、従業員数20〜300人の中小企業向けのネットワークソリューションパッケージを販売すると発表した。IT化が遅れている中小企業へ導入しやすいパッケージとして提供することで、中小企業の生産性を向上し市場の活性化を狙う。
シスコシステムズは6月18日、従業員数20〜300人の中小企業向けのネットワークソリューションパッケージを販売すると発表した。
「Cisco SMB Class Solutions」の名称で、7月からソフトバンクBB、ダイワボウ情報システムなどのパートナーを通じて販売する。このパッケージには、シスコルータやスイッチといったハードウェア、「Cisco CallManager」などといった同社アプリケーションをバンドルする。ファイナンス、トレーニングといった支援も併せて提供する予定だ。具体的なパッケージの内容や価格については、これから詰める。
シスコの黒澤保樹社長は「日本の経済状況は良くなってきているが、まだ大企業と中小企業との間に差はある。とはいっても中小も右肩上がりになるのは間違いない。この中で新しいサービスや仕事の仕方を模索している状況だ」と、事業を強化する中小企業の景況感を分析する。
IT投資と生産性の向上には1対1の相関関係があるといい、IT化が遅れている中小企業へ導入しやすいパッケージとして提供することで、中小企業の生産性を向上し市場の活性化を狙う。
特にネットワークインフラ整備を推進したいと考えている中小企業の悩みは人やコストに集中する。これら問題についても同社の子会社シスコシステムズキャピタルを通じたリースや金融機関での審査優遇など、「アグレッシブな」(黒澤氏)ファイナンスサービスを考えるほか、研修などのトレーニングを提供する。必要があれば技術者も派遣する予定としている。
これまでシスコにとって、大企業向けビジネスが60〜70%を占めており、中小企業は20%に満たない程度。それもルータビジネスがほとんどだった。中小企業でも安価にブロードバンド接続が利用できるようになった今、IT電話やワイヤレス、セキュリティといった新しい分野に敏感になっているという。新パッケージでこの層の取り込みを図る。
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