特集
» 2004年06月18日 14時16分 公開

ITインフラ・マネジメントを考える 第1部:ITインフラのマネジメント標準「ITIL」

企業のコスト削減は、その対象項目が直接的に把握しやすい項目や初期導入費から、人件費を含めた運用管理コストに目が向けられている。こうした状況下で、ITインフラストラクチャ・ライブラリと呼ばれる情報システム・インフラの管理基準に大きな注目が集まりつつある。

[Open Enterprise Magazine]
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 厳しい経済状況のもと、多くの企業は業務プロセスの効率化やコスト削減を図ることで、難局を乗り切ろうとしている。IT関連投資も例外ではなく、TCOやROIに厳しい目が向けられている。このような状況のなかで、ITインフラストラクチャ・ライブラリと呼ばれる情報システム・インフラの管理基準に大きな注目が集まりつつある。

 同特集では、ITインフラ・マネジメントの観点から、現在の業界標準となっている情報システム管理基準「ITIL(IT Infrastructure Library)」の概要とソリューションについて紹介する。

情報システム管理基準「ITIL」

 ITIL(IT Infrastructure Library)は、英国の政府機関であるCCTA(Central Computer & Telecommunications Agency)が開発したITインフラに関するマネジメント基準で、ITサービス・マネジメントのベスト・プラクティス(最適実証例)を集めたフレームワークとして、ITサービス・マネジメント分野の業界標準になっている。

 ITILでは、ITサービスの計画、開発、提供、維持に必要なプロセスを、サービスレベル基準またはサービスレベル合意書(SLA:Service Level Agreement)に定義された内容に合わせて構築するという、プロセス改善型のアプローチをとる。つまり、その手法を定義したものがITILになる。

 ITILで規定されるITマネジメントの要件は、特別な要素があるわけではない。ただ、それらの業務やプロセスを明確に整理し、属人性を排除する形でマネジメントを進めるということだ。その結果として、明確化、高品質、低コストの実現という効果が得られることになる。

 ITILでは、人とプロセスと技術という3つの要素を基に、ITサービス・マネジメントを考える。つまり、実際に運用を行なう人と、属人性を排除して規定されたプロセス、そして管理ツールのような技術を三位一体として、効率性、有効性、経済性を実現できる形でITサービス・マネジメントを推進していくことになる。

 また、ITILでは、インシデント管理と問題管理を明確に分けている点に特徴がある。インシデントというのは、突発的に発生した事故や問題、障害のことで、その発生時に現場でどのように対応するかを管理していく。また、問題管理は、その原因を追究して取り除く方法を管理していく。

 この2つを分離してそれぞれ管理しないと、たとえば、問題が発生したときに根本的な原因を追求しないまま、対症療法的に解決するだけで、繰り返し同じ問題や障害が発生することになってしまう。

ITILを推進するユーザーフォーラム

「itSMF(ITサービスマネジメントフォーラム)」は、ITサービス・マネジメントを推進するユーザー団体として、1991年に英国で設立された。このフォーラムは、IT環境を効果的に活用するための、運用プロセスのベスト・プラクティスを推進する世界的な会員制ユーザーフォーラムで、会員向けサービスとして、会員間のコミュニケーションを促進する場(セミナー、イベント、Webサイト、会報など)を提供している。

 また、ITサービス・マネジメントの世界的な業界標準であるITILに対し、会員の声を反映させる役割を担っている。

 日本でも2003年4月に、NTTコミュニケーションズ、日本電気(NEC)、日本HP、日立製作所、富士通、P&Gアジア・ピー・ティー・イー・リミテッド、プロシード、マイクロソフトといった企業によって、「ITサービスマネジメントフォーラムジャパン」(itSMF Japan)の設立が発表された。その後、itSMF Japanは5月のitSMFインターナショナルでの正式認可を経て、9月には特定非営利活動法人(NPO)としての登記を完了している。

 また、英国のISEB(Information Systems Examinations Board)とオランダのEXINが、ITILの資格認証・試験機関として活動しており、共通資格として初級レベルの「ファウンデーション資格」、中級レベルの「プラクティショナー資格」、上級レベルの「マネジャー資格」の3つの資格試験がある。


 PDFでは、ITILが必要とされるようになった背景や、ITサービス側からマネジメント基準を規定しながらも、同時に強いビジネス指向を持つITILの詳細について触れられている。以下のボタンをクリックし、ぜひ本文をご覧いただきたい。

本特集はソキウス・ジャパンが発刊している月刊誌「Open Enterprise Magazine」のコンテンツをPDF化したものを公開します。同特集は2004年1月号に掲載されたものです。

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