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» 2004年06月19日 19時56分 公開

Interview:「リレーショナル難民」をCacheで救う――インターシステムズ坂寄社長

「ポストリレーショナルデータベース」というメッセージに引き寄せられるCache。今後、日本市場でCacheをどのように展開していくのか、インターシステムズ社長の坂寄嗣俊氏に話を聞いた。

[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 「データベースのトランザクション処理がもっと速かったら・・」と嘆くユーザーや技術者は多い。これに対応する「ポストリレーショナルデータベース」として、米Intersystemsは「Cache」を提供している。米国のトップ10の病院がすべてユーザーになっているなど、製品力によって順調に売り上げも伸ばしているという。同社はまた、もう1つの主力製品として、EAI機能を含んだビジネス統合プラットフォーム「Ensemble」(アンサンブル)も開始した(日本語版は10月リリース予定。)。

 同社の日本でのビジネス展開について、インターシステムズジャパンの坂寄嗣俊氏に話を聞いた。

日本IBM出身の坂寄氏。1997年にSAPジャパン、その後、マニュジスティクス・ジャパン社長、日本ブロードビジョン社長を経て、2003年10月にインターシステムズに就任。

ITmedia Cacheの特徴について教えてください。

坂寄 Cacheの特徴は、リレーショナルデータベース(RDB)のような表形式ではなく、多次元形式でデータを格納することにあります。多次元データベースの場合、オブジェクトやオブジェクト間の関係などを自然な形でデータベースに登録することができます。結果的に、RDBと比較してデータスペースは5分の1から8分の1にまで小さくすることができるのです。

 そして、RDBのように、JOIN式を使った難解なSQL文を使う必要がないため、処理が軽く、スピードが非常に速いのです。

 例えば、親、子、孫とも言える3階層構造で、集計、更新、挿入、削除という処理を行うRDBの構造をしているOracle環境を、そのままCacheに移行するだけで、データサイズは8分の1になります。一方で、処理速度は3倍から5倍にまで上がるのです。

 また、データベースをCache用に最適化し、38万件のデータの更新、追加処理を行ったところ、Oracleに対して8倍の処理性能を発揮したのです。さらに、データベースをSQLからCOSに書き換えた環境でベンチマークを取ったところ、プラグラムステップ数は10分の1に減り、OracleプラスSQLの環境が3日かかった処理を、30分でこなしたという結果も出ました。実に、Oracleの100倍の実行性能になるわけです。

ITmedia メンテナンスについてはどうでしょうか?

坂寄 メンテナンス性も高い。RDBは追加、削除、更新などを繰り返すうちに、フラグメンテーションが発生するため、定期的な再編成が必要になります。Cacheならば、フラグメンテーションが発生することはないため、この作業は必要ありません。

ITmedia ユーザーにはどのような組織がありますか?

坂寄 ジョンスホプキンス大学病院、UCLAメディカルセンターをはじめ米国トップ10の病院はすべてCacheのユーザーです。RDBの処理の遅さに苦しむユーザーを、われわれは「リレーショナル難民」と呼んでいます。日本でも、導入企業は多数あります。例えば、日本ソフト販売は、同社の名寄せソリューションにCahceを採用し、処理時間は10分の1になりました。リレーショナル難民を救うことがわれわれのミッションになるわけです。

ITmedia 日本市場での展開をどのように考えていますか?

坂寄 日本において、無理に拡大路線を走ろうとは考えていません。むしろ、車ならポルシェ、パソコンならMacのように、玄人好みされる存在にしていきたい。目標としては、データベース市場でナンバー5に食い込むくらいまでには、3〜5年でなりたいと考えています。

 Cacheの新バージョン「5.1」のリリースや、10月には、Ensemble日本語版の投入を控え、今後の活動も、6月8日現在でパートナー48社に上るパートナーとの協業が基本になります。パートナー企業もそれぞれ、総合医療情報システム、電子カルテ、病院経営、自動車倉庫システム、物流、名寄せ、生産管理、生涯教育などのCacheベースのソリューションを出しています。業種的には、ヘルスケア、テレコムを中心にあらゆる分野、技術としては、オブジェクト開発に力を入れて行きます。売り上げ面では、ビジネスは拡大基調です。

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