Gridソリューション開発と実用性追求のEGA日本運営委員会が設立

業界におけるGridのイメージは、目先にある身近なものでは無いはずだ。このイメージを払拭すべく、初期メンバーとして国内6社が集い、米EGA(Enterprise Grid Alliance)の日本運営委員会が設立された。

» 2004年07月05日 16時42分 公開
[ITmedia]

 「Gridは地域格差が存在しないテクノロジー」と、EGA日本運営委員会の議長、鈴木俊宏氏は語る。7月5日に設立したEGA(Enterprise Grid Alliance)日本運営委員会は、Gridの標準化制定ではなく、ソリューション提供と実用性を追求する目的で設立された。EGAは、米国内国税歳入局501に基づくオープンで中立な非営利法人であり、日本運営委員会も同じポリシーの元、情報交換を行っていく。

写真右から「EGA日本運営委員会」議長の鈴木俊宏氏を始め、初期メンバーとして「EMCジャパン」執行役員 テクノロジー・ソリューション本部長の村上憲司氏、「サン・マイクロシステムズ」プロダクト&ソリューション/マーケティング部長の山本恭典氏、「日本オラクル」プロダクトSC本部長の新井 智氏、「日本電気」ミドルウェア事業部長の羽田野耕一氏、「日本ネットワーク・アプライアンス」代表取締役社長の鈴木康正氏、「日本ヒューレット・パッカード」アジアパシフィックエンタープライズストレージ/サーバLinux&HPTCビジネスゼネラルマネージャの中野 守氏が会見した

 鈴木氏は、「市場背景として、個々のピースは出揃いつつある。プロセッサ、ストレージ、Gビット環境などは整備され、ソフトウェアとの協調がGridの分野で求められる点だ」と語り、Gridに対する業界背景について触れた。

Webサービスと比較したハイプカーブについて触れた。ハイプカーブ自体は、ガートナーによる見解でお馴染みのもの

 技術の認知度と採用の格差についても語り、Webサービス関連のハイプカーブと比較してGridは比較的激しいカーブをたどらないだろうという。これはまだ、業界がGridに注目し出したばかりという背景があるものの、だからこそ日本運営委員会の働きが期待されるところだ。

 日本運営委員会の活動内容は今後、EGAと日本ベンダー、ユーザーとのつながりを提供することにあり、また、日本におけるEGA活動のサポートメンバーの勧誘、リエゾン関係の確立、日本からの要求事項の収集とフィードバック、活動内容の報告などが含まれる。さらに、取り組みは12〜18カ月の明確なフェーズに分けられ、1つ目は単一企業内そして商用アプリケーションによる「コア機能」確立、2つ目は企業間でやり取りする「取り組みの拡張」、3つ目はユーティリティコンピューティングとしての「統合と完成」という。主に、参加メンバーによる既存技術(ミドルウェア)と概念の検証、デモ開発やコモディティ化へ向けた内容となる。

 「EGA日本運営委員会が対象とするものは、現在、そして数年後に必要な技術。いま直面しているものに取り組んでいく」と鈴木氏は強調する。

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